第2の「ブラックマンデー」は突然やってくる 1987年日経平均は1日で3836円も下落した
押し目は待っても来ないが「気崩れ」は突然来る
注目のFOMC(米公開市場委員会)の定例会合(現地時間14日終了)では、米当局は予想通り政策金利を0.25%(25ベーシスポイント)引き上げて、0.5〜0.75%のレンジとした。
だが、市場が気にしていた「来年の利上げ回数」は、FOMC参加者17人の予測中央値によると、「25ベーシスずつ3回」となる。株式市場安定的上昇の条件は、「25ベーシスずつ年2回」がコンセンサスだったので、当日のNYダウはこの温度差を嫌気しての118ドル安となった。しかし、一気の1ドル117円台の円安に相殺され、翌15日(木)の日経平均株価はザラバ(日中値)で1万9436円を付けた。本年の最高値である。
引けにかけ大きく値を消したため、「目先天井か」の見方も出たが、翌16日(金)もドル円は118円台に入って、あっさり寄り付き段階で高値は更新された。
先週末の終値(1万9401円)で、日経平均は「過熱危険水域」と言われる「25日移動平均かい離率5%」の水準を6日連続上回っている。あたかも危険ラインをサポートライン(下値支持線)にしているかのような強さだ。
報道されているように、グローバル投資家の日本株への資金配分が、前月の5%アンダーウエートから過去最大の変化幅で一気に21%オーバーウエートに転じた。さらに、債券から株への資金の流れはこれから佳境に入る。35年続いた債券強気相場が終わったのではないかと、グローバル投資家の代表である米ブラックロックも判断しているようだ。
こうなってくると、多くのファンドはこの流れに乗らざるを得ず、その量が膨大なため、対処行動(ひとまずのETF《=上場投資信託》の買い)は簡単には終わらない。今までの弱気論者も、手のひらを返したように強気に転じている。このように日本株に流入する資金はわずかの下げにも買い向かって来る。ETF買いは日銀だけではないのだ。
しかし、押し目は待っても来ないのが相場の常だが、突然やってくるのもまた相場だ。突然下げる形の一つに「気崩れ」がある。
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