キリン

キリンがスリランカで目指す持続可能な紅茶農園

キリンは生産地に深くコミットすることでCSVを実現させる

「午後の紅茶」のペットボトルに見慣れないカタカナが表記されているのはご存じだろうか。ディンブラ、ヌワラエリア、キャンディ。これは、商品の原材料として使用されている紅茶葉の生産地を指している。スリランカにあるこれらの生産地の持続可能性を高めるために、キリンは長期的視野に立って努力を続けている。

日本に輸入される
スリランカ産紅茶葉の3分の1を
「午後の紅茶」で使用

うっすらと朝霧がかかる緑の茶畑。幻想的な景色の中に子どもたちの元気な声がこだましている。スリランカの紅茶農園の朝は、真っ白な制服を着た子どもたちの登校風景から始まる。

ディンブラ、ヌワラエリアをはじめとする世界的な紅茶産地を持つスリランカ。紅茶農園が点在するのは、スリランカ最大の都市・コロンボから5時間以上車に揺られた山の中だ。スリランカの紅茶農園は大規模なものが多く、1万人近い住民を抱える農園もあるという。そこには、茶畑や出荷工場で働く労働者たちが家族とともに暮らしており、子どもたちが通う学校や幼稚園まである。

実は、日本に輸入される紅茶葉の約6割がスリランカ産。その豊かな味わいは、農園の人々のたゆまぬ努力によって支えられている。そして、彼らの努力を後押ししているのが、キリングループの「キリンスリランカフレンドシッププロジェクト」だ。

林田昌也
執行役員 CSV本部
CSV推進部長

CSV(Creating Shared Value=事業活動によって社会課題の解決への貢献を目指すこと)を経営戦略の中核に位置づけているキリングループでは、かねてより生産地や生産者の持続性の向上に取り組んできた。「スリランカフレンドシッププロジェクト」のきっかけについて、キリンCSV本部のCSV推進部長林田昌也氏は、次のように説明する。

「今年、発売30周年を迎えた『キリン 午後の紅茶』は、日本が輸入しているスリランカ産紅茶葉のうち、約3分の1を使用しています。良質なスリランカの茶葉が『午後の紅茶』のおいしさを支えているわけですが、紅茶葉は産地によって味や香りが大きく異なり、代替がききません。そのため、スリランカの紅茶農園において、持続可能な生産環境を築くことが必要と考えたのです」

農園の持続可能性を高める
レインフォレスト・アライアンス認証とは

基準を満たした農園に対してこの認証が与えられる。消費者は、このマークのついた商品を買うことによって生産者の生活向上や生産地の自然保護に貢献することになる

プロジェクトの中核となるのが、米国に本部を置く非営利環境保護団体「レインフォレスト・アライアンス」と協働で行っている「レインフォレスト・アライアンス認証」の取得支援だ。レインフォレスト・アライアンス認証とは、「環境保護」「社会的公正」「経済的競争力」の3つにおいて持続可能であることを監査し、認証する国際的認証制度だ。農園側は、現地の技術指導員の指導のもと、規定の条件を満たすためのトレーニングを行い、認証の取得を目指す。

「国際的な認証を得れば、環境面や社会面での整備が第三者から認められたことになり、農園の付加価値が高まります。それだけではなく、農園を整備することで紅茶葉の収穫量を安定させることにもつながります。そのため、スリランカでは認証取得を目指している紅茶農園が多いのですが、取得のためのトレーニングや監査には資金が必要であるため、対応できていない農園が多いのが現実。そこで、キリングループでは、2013年より、取得に向けたトレーニングにかかる費用の助成を始めました」(林田氏)

認証取得のためには、野生動物保護、ゴミの分別、燃料や化学物質の管理、労働環境の改善、農園内に住む子どもや女性への教育など大きく分けて10の項目をクリアする必要があるが、中でも重要な課題とされているのが土壌保全対策だ。

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