フランス人の結婚観が実は「超堅実」なワケ 「半分以上が婚外子」にはカラクリがあった
“結婚に成功する最も肝要な条件は、婚約時代に永遠のつながりを結びたいという意思が真剣であることだ”
――アンドレ・モーロア(作家)
南仏で暮らしていたころに知り合った、あるカップルがいます。この2人、「紙切れ1枚に縛られたくない、愛する人と暮らすことに意味がある」と、同棲を始めてから20年間の事実婚を継続しています。化粧品会社勤務の妻の実家は、ワインのシャトーと山持ちの名家で、夫は自動車整備工。そして、リセ(高校)の娘と中学生の息子、どちらも婚外子ということになります。
でも、フランスにおいては「それがどうした?」です。
生まれる子どもの「半数以上」が婚外子のフランス
フランスでは、年間の出生数の半数以上が、婚外子。日本での“わけありイメージ”なんて、どこにもありません。加えて、日本では大スキャンダルとなる有名人の不倫沙汰など、ニュースバリューがないのか、大きく報じられることはありません。かくしてフランスは、不倫と婚外子が氾濫する、「自由恋愛の放埓な国」という、世界に冠たる“栄誉”を担うこととなったのです。
フランス人カップルの場合、法律上の婚姻をするか、同棲にするか、という選択肢に加えて、「PACS(パックス)」という形態を選ぶこともできます。PACSとは、いわば同棲と婚姻のイイトコ取りをした制度のこと。裁判所公認の同棲のようなもので、1999年にできました。
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