実機で判明!MacBook Pro「新機能」の意義 キーボードなのか、トラックパッドなのか

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処理性能は、グラフィックスを中心に、これまでのモデルよりも60%から130%の幅で向上しており、MacBook Airからはもちろん、MacBook Proからの買い替えでも十分に満足できる体験が得られる。

順当な性能の向上と小型化という2つの価値が与えられた反面、アップルデバイスにしばしば起きる「痛み」も存在する。これについては、後述しよう。

新インターフェースの役割とは?

電源ボタンを兼ねる指紋認証センサー「Touch ID」

さて、13インチ、15インチのMacBook Proに搭載された新しいインターフェース、Touch BarとTouch IDとはどのようなものなのか。

まずTouch IDから説明すると、これはiPhoneやiPadに搭載されているものと同様の指紋認証センサーだ。電源ボタンを兼ねており、スリープから復帰する際のパスワードの回避や、システム上の変更を行う際のパスワード入力の代替、オンラインでのクレジットカード決済を安全に行うことができるApple Payでの支払い時に利用することができる。

日本でも10月末からApple Payが開始されており、対応カードを登録することで、オンラインでの決済に利用できるようになる。Apple Payには配送先の情報も登録しておくことができるため、Apple Pay決済ボタンとTouch ID認証だけでショッピングを済ませることができる点が魅力だ。

もしもiPhoneやApple WatchなどでApple Payをすでに利用している場合、同じiCloudアカウントでログインしていれば、同じカードのセキュリティコードの入力だけで設定が済む。

そのTouch IDの左側に伸びているのが、Touch Barだ。既存のキーボードと比較すると、ちょうどファンクションキーが並んでいる領域が有機ELディスプレーとなっており、ここにボタンが表示される仕組みだ。ファンクションキーとともにEscキーもTouch Barに飲み込まれてしまったが、トップメニューでは常時表示される。

表面は非常に滑らかで、タップ操作だけでなくスライド操作も心地よく行うことができる。ディスプレーの表示内容は、作業状態によって変化していく。ユニークなのは、ファンクションキーが階層化された点だ。バーの右側には、これまでのファンクションキーに割り当てられていた、音量調整や画面やキートップの明るさの調整、メディアコントロールなどのボタンが用意される。

ただしつねにすべてが表示されているわけではなく、左からSiri、ミュート、音量コントロール、明るさ調整の4つのキー以外は収納されている。音量ボタンと明るさボタンをタップするとTouch Bar中央部にスライダーが表示されて調整が可能になる。ファンクションキーを連打するよりもわかりやすい。

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