赤ん坊が泣いても全員ライブを楽しめる方法 「出て行かせる」だけが解決法じゃなかった

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お笑いライブをみんなが楽しむにはどうしたらいいのでしょうか(写真 :桜もち / PIXTA)
「肩書はいらない」と宣言し、芸人の枠から飛び出したお笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣氏。絵本の制作、町づくり、上場会社の顧問……これまでの常識を覆し、活動領域に枠を作らず新しい仕事を次々と創り出していく彼の目に、未来はどのように映っているのか?
2016年8月に発売された書籍『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』の中から、西野氏の独特かつ斬新な哲学の一部を、紹介していく。今回が第2回。

ライブ中に赤ん坊が泣く問題の解決方法とは?

「子供が小さいから、ライブには行きにくい」という親御さんも、育児に疲れてライブに逃げ込む親御さんもいる。お笑いライブで赤ん坊が泣く問題について、何かいい方法はないかなぁ?

たとえば赤ん坊が泣いている時間が30秒~1分位なら、泣いていることをイジって笑いに変えてやればいい。それで皆が幸せになるわけだから。それこそ「芸人なら笑いに変えろ」だよね。

ただ、5分~10分泣き続けられると、運営側としては、ロビーに出てもらわないといけなくなる。5分間、泣いている赤ん坊をイジるわけにはいかない。

なぜなら、他のお客さんは、泣いている赤ん坊をイジって笑いをとっているところを見るために、時間やおカネを払っているわけではないから。

この瞬間、「芸人なら笑いに変えろ」が通用しない。

こういう話をすると、「『だったら、未就学児入場お断り』と書いとけよ!」と目くじらを立てて怒鳴りこんでくる人がいるんだけれど、僕も他のお客さんも、赤ん坊が泣くことは別に構わない。“泣いてもいいけれど、泣き続けられると……”という限度の問題。

「注意書きに書いてないことは何をしてもいい」という理屈が通るなら、注意書きは、数百~数千を超える。「公演中、お芋をふかして食べないでください」とは書いていないのだ。

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