「仕事ができないやつ」から脱却する唯一の道 資格や語学がなくても「一番偉い人」になれる
私はコンサルティング会社に在籍した12年以上にわたる期間、大企業・中小企業をあわせて1000社以上を訪問し、そこで働く8000人以上の人々を見てきた。
マスメディアや本、ネットには「偉大な成功者たち」のエピソードが数多く並んでいるが、長く働くうち、「偉大な成功者たち」に関するエピソードよりも、身のまわりにいる、普通の人々に学ぶことのほうがはるかに多いことがわかった。だから、私の紹介する話は普通の方々が悩んで出した結論や、必ずしも成功とは言えない体験談、現場での素直な感想などである。
一度に大きな変化を起こすことは誰にもできない。何かを成し遂げようとするならば、それなりの準備や時間をかけて物事に取り組む必要がある。この連載の目的は、そのような方々の一助となることである。
仕事ができる人になるには?
「どうすれば『仕事ができるやつ』になれるでしょう?」
そういった相談を、若手の方からよくいただく。
「やっぱり論理的思考力を身に付けるべきですか?」
「英語ができたほうが良いですかね?」
「資格はとったほうがいいですか?」
多くはそういった類の相談だ。もちろん、いずれも間違いではない。
しかし、私がコンサルタントとして、多くの企業を見て学んだことのなかで、最も重要だと思ったのは、そのようなことではなかった。
それに私が気づいたのは、ある会議でのことだった。会議のテーマは「集客」だった。新しいサービスを立ち上げたのだが、いまひとつ反応が悪く、「これからどうすべきか」の話し合いを部門全体で行なっていた。
会議のメンバーは部門の主要メンバーで、約15名、若手からベテラン、部門長までが一堂に会していた。
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