迷走する国交省「ホーム転落防止会議」の実態

業を煮やした視覚障害者団体が立ち上がった

鉄建建設の鉄道体験会に参加した視覚障害者たち(記者撮影)

国土交通省肝いりの駅ホーム転落防止対策会議が機能不全に陥っている。

その会議とは、「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」。8月15日に東京メトロ銀座線・青山一丁目駅で盲導犬を連れた男性がホームから転落し、電車にひかれて死亡した事件を受けて開催されることになった。全国の主な鉄道事業者が参加し、障害者団体からのヒアリングも踏まえて12月中に安全対策のとりまとめを行う。

検討会は8月26日に第1回がスタート。その後も会を重ね、10月18日には第4回目の検討会が行われた。10月16日に近畿日本鉄道・河内国分駅で起きた視覚障害者の人身事故を受けて、急遽開催されたのだ。

事故対策について議論せず

検討会は毎回非公開で、16日の検討会も終了後に国交省の担当者が記者会見で検討会の内容を報告した。まず、国交省の担当者が事故の状況を説明した。河内国分駅にはホームドアは設置されておらず、また、ホームに黄色い点字ブロックは設置されていたものの、ホームの端がどちら側にあるかを示す内方線は設置されていなかったという。

しかし、被害者はなぜ転落したのか、防止対策はどうするかといった話は一切なし。質疑応答タイムでは記者陣から矢継ぎ早の質問が出たが、国交省の回答があまりにも要領を得ないものだった。やりとりの内容を紹介するとこんな調子だ。

――なぜ河内国分駅にホームドアが設置されていないのか。

近鉄からは「列車によってドア位置が違うのでホームドアを設置できない」と聞いている。他の理由についての議論は行われていない。

――内方線が設置されていなかったのはなぜか。

河内国分駅ホームに内方線を設置できるかどうかという議論はしていない。

――事故の状況はわかったが、事故がなぜ起きたのかを近鉄に聞かなかったのか。

聞かなかった。

――今後の対策について近鉄から説明はなかったのか。

近鉄から今後の方向性に関する発言はなかった。

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