ドワンゴ「N高校」が東大も医学部も狙う理由 IT・サブカル人材育成だけじゃない!

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さらに、3年生向けのみで展開する「プレミアム」コースは、生徒の学力や得意分野と、各大学の入試問題の相性を分析した「受験校マッチング」も行うという。

難関大の受験対策に特化したコースはこれだけではない。今年4月に開校した、東大受験を目指す全寮制コース「N塾」もある。塾長には「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話(通称、ビリギャル)」の著者として一躍有名になった、「坪田塾」経営者の坪田信貴氏を招いた。

生徒の学力レベルや特性に合わせ、講師陣は個別に指導を行っていく。朝夕食事付きの寮生活で、現役合格に向け猛勉強……、もはやネットの高校という範囲をゆうに超えた取り組みだ。

トップエリートを育成する理由は?

N塾には当初50人ほどの応募があり、そのうち30人ほどが選考に参加。14人が通過したが、その後辞退者が出るなどして7人が入塾。開始1カ月で2人が脱落し、現在は2年生3人、3年生2人の計5人が勉強に励んでいる。

N高校は年1回5日間程度、スクーリングと呼ばれる面接指導を実施している。沖縄県・伊計島にある伊計本校もそのひとつだ

寮のキャパシティ(30人)に対して、かなり小規模なスタートとなったが、「坪田氏は(難関大合格に向けて)自信満々。生徒たちの学力も順調に向上している」と、N高校の理事を務める川上量生・カドカワ社長も手応えを語る。

ネットの高校という特性上、ITやカルチャー関連の専門人材を育成するのは自然だが、東大や医学部など、トップエリートの育成に力を入れる理由は何か。川上社長は「生徒が進みたいと思う分野に、必ず道を作ってあげたい。そう思ってやっている」と話す。

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