1泊1円も登場!旅行サイトは戦国時代へ じゃらん、楽天を追い越せ!エクスペディアが攻勢

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これらネット専業に加え、この市場には、JTBや近畿日本ツーリストなど、“リアル”旅行代理店のサイトも存在する。まさに群雄割拠なのだ。

伏兵の一休が高級化路線で台頭

一方、ニッチを売りモノに、独自のポジションを獲得しているサイトもある。「一休」だ。高級ホテル・高級旅館が主力の一休は、厳正な審査をくぐり抜けた、質の高い宿泊施設のみをそろえている。ちなみに、ザ・リッツ・カールトン東京、マンダリン・オリエンタル・東京、パレスホテル東京、星のや・軽井沢などは、一休のサイトでしか予約できない。

業績も好調だ。前2013年3月期は1室平均単価が2万3355円と、前年同期比で1019円もアップした。会員数もいまや300万人を突破しており、今期の業績も前期に続いて過去最高営業益の連続更新を目指す。

「われわれは平均単価の高い客が多い。どこのホテルだって、定価に近い価格で泊まってもらいたいもの。うちが業界から評価されているのはそこだと思う。世界の高級ホテルチェーンとパイプがあるから、彼らから『海外のホテルに客を送ってほしい』と言われる」。一休の森正文社長は決算説明会の場で、自社の強みを冷静に分析した。

2強の楽天、じゃらんに、高級路線の一休。日本市場の強敵を前に、果たして黒船・エクスペディアがどこまで存在感を発揮できるか。旅行サイトの戦国時代が始まった。

詳しくは『週刊東洋経済』5月25日号の「沸騰!エアライン&ホテル」を、ぜひご覧下さい。

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。

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