マック「メガポテト」、ついに姿を見せる カロリーはビッグマックの倍、粗利も高い

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ポテトの原価は10%以下、採算改善にも威力か

日本マクドナルドにとって、実は「マックフライポテト」は原価が低い割に、ハンバーガー(単品で120円)などよりも単価が高い、好採算の商品だ。

JR東日本系のハンバーガーチェーン「ベッカーズ」で商品開発にかかわったことがある白根智彦・シェアハピネス代表は、「そもそも普通のハンバーガーの原価率は30%程度だが、フライドポテトの原価率は10%以下ではないか」と推測する。

日本マクドナルドの既存店売上高(月次)は、この4月まで13カ月連続の前年割れが続いている。また、日本マクドナルドの持ち株会社である、日本マクドナルドホールディングスの2013年1~3月期(第1四半期)業績は、売上高が659億円(前年同期比15%減)、営業利益が33億円(同53%減)と大幅減益に沈んだ。

これを受けて日本マクドナルドホールディングスの原田泳幸会長兼社長は、「賢いコアメニューと賢い季節限定メニューに重点を置く」と宣言。“コアメニュー”であるビッグマックなどの基幹商品を強化すると同時に、“季節限定メニュー”として「てりたま」の派生商品を投入するなど、開発やマーケティングのコストを掛けず、商品数を増やす戦略に打って出ている。今回のメガポテトも、原田社長の言う“賢い”商品戦略の一環といえそうだ。

日本マクドナルドは過去、「マックフライポテト」の全サイズを150円にするキャンペーンを実施して、集客を図ったことがある。今回も好採算のポテトを話題性のあるサイズで売り込むことにより、集客を図ると同時に利益改善を模索する狙いがありそうだ。

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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