大転換の予兆? 金価格急落のミステリー

ドルの信認回復をはやす声は勢いを増している

それは「グレート・ローテーション(資金移動の大転換)」のシグナルなのか──。

1カ月前に起こった金価格急落の波紋は収まりそうにない。4月15日にニューヨーク商業取引所の金価格は、前取引日終値の1トロイオンス当たり1501ドルから一気に1360ドルまで急降下。2営業日前からの下落率は約13%に達し30年ぶりとなる暴落を見せた(下図)。

金価格急落の直接的な原因は、その直前に出た二つのニュースだ。

まず、キプロスの中央銀行が金準備の売却に動くとの報道が飛び出した。ユーロ圏とIMF(国際通貨基金)は100億ユーロのキプロス支援策を決めたが、ロシアマネーなどのマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑のある同国に対しては自助努力の資金調達を求める厳しい条件も打ち出した。対応策の一環として、キプロス政府が金準備売却の見通しを示したことから、債務問題に苦しむほかの南欧諸国でも同様の動きが広がるのではとの思惑が広がった。

もう一つは中国経済の鈍化だ。2013年1~3月の中国のGDP(国内総生産)は前年同期比7.7%増と市場予想を下回り、金だけでなく石油や銅など商品市況はそろって下落した。

こう見てみると、金価格急落は世界経済減速やデフレ進行を示すサインととらえることができる。だが、金という投資資産の持つ独特の性格からそうとばかりはいえない。むしろ、金価格の下落は経済にとって明るいシグナルになるという主張が勢いを増している。

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