事実!一流と二流は「休み方」に大差がある やたら1泊2日旅行に行ってはいけません

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身支度・荷造り・朝ごはんに追い立てられるように旅をするくらいなら、むしろ日帰りのほうがよほど疲れず、リフレッシュできると思います。これが、「追い立てられるような1泊2日旅行」を避けたほうがよい理由です。

「定住スタイル」で旅行をする

あなたに足りないのは「気力」ではなく、「体力」だ――仕事を「体」から問い直すと、できることが格段に増える!成果も上がる。社長時代に「1日8時間寝る」ことを自らに課していた著者のカラダ資本論。 上の画像をクリックするとアマゾンのページにジャンプします

1泊2日よりも、そして日帰りよりも、ヨーロッパ人が休暇と称して行うような「長期にわたって1カ所に滞在する旅行」のほうが理想的なのは言うまでもありません。その場合は、ホテルや旅館を転々とするのではなく、1カ所に定住し、そこをわが家のようにして家族と過ごすのです。旅行先であちこちに出かけるとしても、その「臨時わが家」を拠点にするのです。

そうすれば、少なくとも到着した翌朝の荷造りからは解放されます。1日くらいは朝食をパスして、だらだらと部屋で過ごすという選択もできるでしょう。体力の回復とリフレッシュを同時に成立させる旅は、このような定住スタイルから生まれるのです。

さあ、さっそくこのスタイルの旅を楽しんでみてください。もっとも、3連休は限られていますから、「次はいつ旅行に行けるかわからない」という人もいるでしょう。そういう人は、この記事を読み終えたら、ご自分の、ご家族の、そして会社の仕事の都合を十分考慮したうえで、多少の無理を承知のうえで、さっそく有給休暇の取得を申請してください。

最近、日本でも有給休暇の取得を促進する動きがありますが、私の目にはまだまだ物足りなく映ります。おそらく、有給休暇を取得しないことを善とする上司の目や、自分が休むことで仕事が滞ることを恐れる責任感が、取得に二の足を踏ませているのでしょう。

しかし、何度も書いてきたとおり、万全のコンディションで仕事をするには、心身を十分に休め、リフレッシュすることが不可欠。有給休暇を取ることは、むしろ真面目に仕事に取り組む意識の表れなのです。

休まずにダラダラと非生産的に仕事をすることは、非効率的な仕事の仕方を自分に強いることになるだけでなく、会社にとって不利益をもたらすことですらあります。それに文句を言う経営者がいたのなら、それはタダの無能な経営者に過ぎません。

有給休暇を取って旅に出るのは、自分のためでもあり、ひいては会社のためでもあるのですから、遠慮なく申請し、有意義な時間を過ごし、仕事でその成果を出してください。

季節の変わり目を乗り越え、寒い時期にもしっかり働いて成果を出していくには、それが欠かせません。ちなみに、私は1970年代の初めから会社を卒業するまで、毎年1カ月の休みを取っておりました。外資であったことが幸いしましたが、休暇を終えて帰ってきた時の頭の回転の速さ、判断の速さには自分でも驚いていました。

吉越 浩一郎 吉越事務所代表

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よしこし こういちろう

1947年千葉県生まれ。ドイツ・ハイデルベルク大学留学後、上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。極東ドイツ農産物振興会、メリタジャパン、メリタカフェを経て、83年にトリンプ・インターナショナル(香港)に入社。87年にトリンプ・インターナショナル・ジャパンの代表取締役副社長、92年に同社の代表取締役社長に就任。代表取締役在任中に19期連続増収増益を達成。2004年に「平成の名経営者100人」(日本経済新聞社)の1人に選出される。06年に退任し、現在は、吉越事務所代表。経営コンサルティング、執筆、講演を中心に活躍している。
著書に、ベストセラーとなった『デッドライン仕事術』(祥伝社)や『仕事ができる社員、できない社員』(三笠書房)など多数がある。

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