地震・豪雨、鉄道の災害復旧を阻むコストの壁

南阿蘇鉄道、全線再開への長い道のり

雄大な風景で知られた「立野橋梁」を渡る南阿蘇鉄道の列車。この区間も地震で被災した(写真:徳永克美 / PIXTA)

4月に発生した熊本地震からまもなく半年。そんな中、7月末には発災以降全線にわたって運転見合わせが続いていた南阿蘇鉄道で、中松〜高森間7.1kmの運転が再開された。全線の営業キロは17.7kmだから、約4割の区間での運転再開。トロッコ列車も運行され、夏休み期間中の再開ということもあってか、多くの旅行者が訪れて賑わったという。同社が目指している全線再開に向けて大きな第一歩を踏み出したというわけだ。

ただ、全線復旧に向けての道のりはまだまだ厳しい。そもそも、全線約20ヶ所で地震による被害を受けた中で、今回再開された中松〜高森間の主要な被害はわずか2ヶ所ほど。それもレールや枕木の浮き上がり、線路の通り狂いといった比較的軽微なものであり、運転再開にこぎつけることができたというわけだ。

復旧にかかるコストは不明

では、これから全線での運転再開を果たすまでに何が必要なのか。同社の担当者は、「ひとまず長陽〜中松間での復旧作業を進めていく予定」と話す。この区間も中松〜高森間と同様比較的被害が軽微だった区間。現状でまだ再開時期ははっきりしないというが、順次復旧作業を進めていくことになる。

問題は始発駅でありJR豊肥本線との接続駅でもある立野と長陽の間。地震で断層が大きく動いた位置にあたり、土砂崩れで崩落した国道325号阿蘇大橋にもほど近い。そのため南阿蘇鉄道の被害もこの区間に集中している。現状では立野橋梁の橋脚損傷、第一白川橋梁の軌道狂い、橋梁鋼材の歪み、軌道上への土砂流入などが確認できているという。

しかし、「すべての被害状況が把握できているわけではなく、復旧にかかるコストも期間も不透明」(同社)だという。つまり、まずは詳細な被害状況の把握と復旧工事の方向性を調査し、その上で具体的に復旧について検討していくことになる。

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