福田首相の真の狙いは消費税増税、歴史に刻まれるその名は…

福田首相の真の狙いは消費税増税、歴史に刻まれるその名は…

塩田潮

 福田政権になってまもなく8カ月だが、成果は乏しい。
 薬害肝炎救済、洋上給油再開、予算成立、道路特定財源の一般財源化の約束など、数えるくらいしかない。実績の少なさ以上に、そもそも挑戦課題も達成プランもはっきりしない。そこが不人気の最大の要因である。

 だが、ただ首相をやりたいだけで政権を担ったわけではないだろう。アピール下手とはいえ、これだけはやり遂げたいという秘めたる目標はあるはずだ。それを占うカギは一般財源化実現について語った「秋の抜本税制改革で」という一言にあると見る。どうも一般財源化を突破口にして消費税の増税まで突き進むプランを思い描いているふしがある。つまり「敵は本能寺」で、福田首相は本気で消費税増税を狙っているのかもしれない。

 参院選大敗、支持率低迷などの昨今の逆風は、突き詰めれば巨大財政赤字が原因というばらまき志向の発想が自民党の政治家たちにはまだ根強く残っている。それだけでなく、増税志向の背後に、自民党の世襲政治家に共通する「官僚のマインドコンロール」という問題がある。

 1年生議員のときから予算や制度や政策について基礎的学習を積む過程で財務省に依存しているうちに、知らず知らずのうちに発想や思考方法まで財務省流になってしまう傾向がある。福田首相もその体質を引きずったまま、どの道、数年以内に増税は避けられないのだから、いっそのこと悪評を覚悟で消費税率の大幅引き上げを断行すれば、後々には「自己犠牲も厭わず、大英断で財政を救った首相」と評価を受けるかもしれないと思い込んでいる可能性がある。

 多くの国民は、負担増は膨大な無駄やたかりの大整理の後の話と思っている。そこを素っ飛ばして増税に走れば、歴史に名前を残すにしても、刻まれるのは「自爆首相」という汚名である。
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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