日本一“ハンサム”な、最年少イクメン知事 新世代リーダー 鈴木英敬 三重県知事

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だが結果として直面したのは大幅な税収減だった。液晶価格の大幅下落に伴い、同社の経営が悪化したからだ。この教訓から県が学んだのは、シャープのような超大型案件だけに懸けるのではなく、企業が、息の長い付加価値投資を続けられる基盤づくりを助けることだ。

三重県はイタリアのように、南北に長く、北が工業地域で、南が1次産業に強い。たとえば、ホンダや東芝は国内工場の拠点を再構築、三重県にマザー工場の拠点のひとつを移そうとしている。新企業誘致制度では、メーカーの工場新設だけでなく、人材異動(県外から人が移転すれば雇用が増えることになるため)なども支援することで、県内の雇用や人材の集積を増やす狙いがある。

一方で、サービス業の集積が多い南部も意識、県にとって雇用効果や、三重県の知名度を上げてくれるような経済波及効果が大きいと思われるサービス産業には、上限1億円をメドに積極的に補助金を出すことにした。

「パワースポット」伊勢神宮を、大きな味方に

観光にも一段と力が入る。すでに昨年の三重への宿泊客は、前年比14%増(伸び率は全国2位)となる実績を上げている。やはり、この4月からは3年間の予定で、「三重県観光キャンペーン~実はそれ、ぜんぶ三重なんです!~」が始まった。

今年は伊勢神宮の式年遷宮、来年は熊野古道世界遺産登録10周年、さらに2015年度は伊勢志摩国立公園選定70周年、と大きな区切りの年を迎えるのを機に、国内外から観光客を呼び込もうというものだ。伊勢神宮や伊勢海老、松坂牛は知っていても、意外に三重の地名と結びつかないといった例は多い。こうした一般の人々に「脳内革命」を起こさせ、三重に行かなくちゃ、という気分にさせたい。併せて、北部地方と南部地方の回遊性を高める努力も行う。

(写真:アフロ)
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