北朝鮮が弾道ミサイルを3発同時に発射 ほぼ同地点に落下、技術力向上の表れ

拡大
縮小
 9月5日、防衛省は、北朝鮮が正午ごろに発射した弾道ミサイルについて、3発とも日本の排他的経済水域内(EEZ)内に落下したようだと発表した。写真はソウルにて撮影(2016年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[東京 5日 ロイター] - 防衛省は5日、北朝鮮が正午ごろに発射した弾道ミサイルについて、3発とも日本の排他的経済水域内(EEZ)内に落下したようだと発表した。ミサイルは同時に発射、ほぼ同地点に落下したとみられ、日本政府は北のミサイル技術向上に懸念を強めている。

防衛省によると、北朝鮮は午後0時13分ごろ、同国西岸から3発の弾道ミサイルを東北東へ発射した。いずれも約1000キロ飛行し、北海道奥尻島の西200─250キロ付近に落下したようだという。

稲田朋美防衛相は記者団に対し、「3発同時に発射し、しかもほぼ同じ地点に落下した。確実に能力は向上している」と述べた。そのうえで、「日本の安全保障上の重大な脅威であり、断じて許されない。深い懸念を表明する」と語った。

北朝鮮による弾道ミサイルの発射は、今年に入って21発目。移動式発射台や潜水艦から撃ったり、わざと高く打ち上げたりするなど、発射手法も多彩になっている。

今回の発射は、20カ国・地域(G20)首脳会議が中国・杭州で開かれている最中だった。稲田防衛相は「国際社会の強い圧力に対する示威行動の可能性がある」と指摘した。

防衛省はミサイルの種類について、飛行能力300─500キロのスカッドか、1300キロのノドンとみている。いずれも、移動式の発射台から撃つのが一般的という。

 

(久保信博)

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT