「名前が出てこない」がピタッとなくなる方法 歳のせいではなく「努力不足」が原因だった

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名前も同じです。名刺交換したときは、ワーキングメモリに名前が入って、「確かに覚えた」という感覚があったとしても、その後の会話でワーキングメモリに新たな情報が入ってくると、名前の情報は追い出されてしまいます。もし、相手に関する記憶と結びついていれば、思い出すこともできるのですが、先ほど解説したように名前は「意味がない」ため、結びつきが弱く思い出しにくくなるのです。

これが、「ただ、あのときは確かに覚えたように思ったのですが……」ということが起こる原因です。あなたの記憶力が悪くなったわけではなく、ワーキングメモリによって引き起こされた錯覚なのです。

「歳のせいで記憶力が悪くなり名前が覚えられなくなった」わけではないことがわかっていただけましたか。では、ここからは「名前が出ない……」問題をどうやったら解消できるかをお伝えしていきます。

これが効果的な4つの繰り返し

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まずは、ワーキングメモリにだまされないこと、です。ワーキングメモリに入ると「確かに覚えている」という強い実感があります。しかし、その記憶はとてもはかないものです。そこから押し出されてしまえば、ほかの結びつきがない限り、すっかり忘れてしまいます。したがって、「今、確かに覚えている実感はあるけれど、ワーキングメモリに入っているだけだから、このままだと忘れてしまう」と自覚することです。この自覚があって、初めて忘れないための努力をする気になるでしょう。

次に忘れないための努力ですが、基本は繰り返しです。繰り返すことによって、脳に対して「これは大事な情報なんだ」と伝わり、記憶が強化されるからです。ただ、「繰り返し」にもいろいろあります。ここでは記憶するのに効果的な、以下の4つを紹介しましょう。

 1)覚えているうちに繰り返す
 2)思い出しながら繰り返す
 3)話しながら繰り返す
 4)イメージに変えて繰り返す
次ページ大切なのは具体的なイメージ
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