EUがアップルに最大1.5兆円追徴へ

アップルとアイルランドは不服申し立て方針

 8月30日、欧州連合(EU)の反トラスト当局は、アイルランドの米アップルに対する課税優遇措置が違法な政府補助にあたるとし、アップルに130億ユーロ(約1兆4800億円)に上る追徴税を課した。写真はロンドン市内のアップルストア、昨年4月撮影(2016年 ロイター/Toby Melville)

[ブリュッセル/ダブリン 30日 ロイター] - 欧州連合(EU)の反トラスト当局は30日、アイルランドの米アップル<AAPL.O>に対する課税優遇措置が違法な政府補助にあたるとし、アップルに最大130億ユーロ(約1.5兆円)の追徴税をアイルランドに納付するよう命じた。アップルとアイルランドは決定を不服として控訴する方針を示した。

130億ユーロという額は、過去の同様のケースで課された追徴金の約40倍にあたり、アップルの手元資金の約6%に相当する。欧州委は、他の国がアップルに追徴課税するなら、減額する可能性があるとしている。

欧州委によると、アイルランドの法人税率12.5%に対し、アップルに適用された税率は2003年に1%、その後2014年には0.005%に低下した。欧州委は14年にアップルに対する調査を開始した。

ベステアー欧州委員(競争政策担当)は「アイルランドがアップルに違法な税制優遇措置を供与したことによって、アップルが支払ってきた税額は長年にわたり、他の企業に比べ著しく小規模にとどまっている」と指摘した。

アイルランドのヌーナン財務相は、欧州委員会の決定は受け入れられないとの見解を表明。控訴の手続きをとる方針を示した。

同相は国営放送RTEに対し「今回の決定に経済的な根拠はまったくない」と主張。「政治的で、類を見ないケースだ」と語った。

アイルランド財務省は、問題となった課税措置は現在は適用されておらず、欧州委の決定は、アイルランドの法人税率(12.5%)、あるいは同国で事業展開する他の企業に影響しないと述べた。

アップルも決定に対し不服を表明。

声明で「アップルは法に従い、事業を行っているすべて場所で課せられた税金をきちんと納付している。われわれは控訴する方針で、決定が覆されると確信している」と述べた。

さらに「欧州委員会の論点は、アップルがどれだけの税金を納付するかでなく、どこの政府が税収を得るかである。それは欧州の投資や雇用創出に深刻かつ有害な影響を及ぼすだろう」と指摘した。

米財務省も欧州委の決定を受け声明を発表し、欧州規制当局の動きは海外からの投資を阻害する恐れがあるとけん制した。

他の米大手企業に対する調査も進められている。欧州委はこれまでにオランダに対し、スターバックス<SBUX.O>に最大3000万ユーロ(3300万ドル)の追徴課税するよう命じているほか、ルクセンブルクのアマゾン・ドット・コム<AMZN.O>やマクドナルド<MCD.N>の税優遇措置をめぐり調査に着手している。

 

アップルは今後、税優遇をめぐる問題を、EU域内とおそらくアイルランドの裁判所で何年もかけて争う可能性が高い。

税務の専門家は、欧州委の主張が裁判で認められることは難しいとみる。EUは特定の課税ルールが反競争的だと指摘したことはあるが、各国の課税ルールが公平に適用されているかどうかについて判断を示したことはない。

そのため、アップルが最終的に追徴課税を支払わないで済む可能性もあると専門家は指摘する。

国際税務助言会社Taxandの幹部は「EUが採用した論理は受け入れられない」と語った。

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