加盟店が値段も決めるサーティワンの「出店力」

加盟店が値段も決めるサーティワンの「出店力」

連休明けの5月9日、サーティワン・アイスクリームの店頭には中高生や親子連れの長い行列が延びていた。「アイスクリームの日」とするこの日、夕方の2時間、来店して募金をするとアイスクリームがタダになる。2002年から行われている恒例イベントで、今年も全国755店舗で64万人を集めた。

1945年、アメリカで誕生したサーティワン。日本では米バスキン・ロビンス社と不二家の合弁で、74年に東京・目黒に1号店をオープンした。マクドナルド、ケンタッキー・フライド・チキンと並ぶ、米国発の老舗チェーンである。

100店超の出店攻勢 「2年以内に1000店」

ここ数年で急激に店舗を増やした外食チェーンといえば、スターバックスコーヒーを思い浮かべがちだが、実はそれを上回るペースで出店しているのがサーティワン。スタバは繁華街が中心だが、サーティワンは郊外ショッピングセンター(SC)に絞った出店戦略を取っている。

出店はフランチャイズ(FC)方式が中心。サーティワンと契約した加盟者はロイヤルティを支払って商標の使用権や経営ノウハウを得る。材料は別途、サーティワン本部がFCに卸す仕組みになっている。

株式公開している外食53社の増収率は06年度で平均4%ほどだが、サーティワンは06年度まで3年連続で20%前後のハイペースで伸ばしてきた。毎年100店超の出店攻勢がバネだが、松山和夫会長は「この4月末で900店。2年以内には1000店、その後は1300店を目指す」と意気込む。フランチャイズ研究所の黒川孝雄氏は「消費の多様化により、単一業態で1000店を突破するファストフードは今後多くはないだろう」と話す。

折からの原料高もあり、営業利益は20億円前後と足踏み状態が続いているが、それでもこの10年で8倍強拡大した。その急成長の裏には、身を切って挑んだ大改革があった。

バブル崩壊とともに去ったアイスクリームブーム。98年には売上高はピーク時89年の半分近い53億円、営業利益率も20%から1・6%にまで落ち込んでいた。サーティワンのイメージ調査では「店舗が古い」「汚い」「サービスの演出がない」などさんざんな結果が。都内で8店舗を経営し売上高トップクラスのオーナー、小岐須康通氏は「従業員の給与を出すと、ほとんど利益が出ない状態。お店を辞めようかと半分思っていた」と振り返る。店舗当たりの客数はピーク時から4割も落ちていた。


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