上から目線で期日後の催促をしてはいけない 相手の非を責める態度は逆効果になることも

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催促をしつつ、「なぜ遅れているのか」、相手の状況を掴むことは常に必要です。そういう意味でもソフトで丁寧な相手が安心できる口調で話すことが重要になるわけです。強い態度で臨めば、応対をいやがりそのうち居留守を使われるような事態になってしまいます。状況把握ができなくなれば、最終的に自分も困った立場に追い込まれます。

状況把握のコツは、相手に対して、遅れればどういう事態になるかを示すことです。たとえば「マンションの管理費を滞納すれば、理事会に名指しで報告されます」「生命保険の入金が一定期間なければ失効してしまいます」「納期が間に合わなければ、その後の工程や、他の取引先に影響が広がっていく」といった具合です。

営業アシスタントなど、社内間での催促が中心という人も多いと思います。その場合、担当者のタイプを把握しつつ対処していくのがコツです。

「担当者に応じて、対応の仕方を変えています」と話すのは、イベント会社の営業アシスタントのFさん。取引先との直接のやりとりは営業担当者が行いますが、スケジュール管理はアシスタントの仕事のため、担当者を「うまく催促させる」ことが重要になります。

社内での督促は社外以上に気を配る

仕事をかかえ過ぎてすぐに忘れてしまう営業担当者の場合は、タイミングが重要です。催促してほしい取引先に行く直前に、催促してほしいことをまとめてメモにして持たせることが有効です。このタイプは、しっかりお膳立てさえしておけば、きちんと動いてくれます。

催促が苦手だったり、アシスタントからうるさく言われるのを嫌ったりする営業担当者の場合は、言った用件を無視するケースがあります。そうした場合は、Fさん自身が取引先に催促して結果を営業担当者に伝えてもらったり、営業担当者をCC(同報)扱いにして取引先に直接メールを送ったりするそうです。

ある意味、営業担当者のメンツをつぶしていますが、ここまでやるのは新人時代、営業担当者にうまく催促ができず、結果、イベントの一部に遅れが出て取引停止寸前に追い込まれた経験があったからだそうです。

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