上から目線で期日後の催促をしてはいけない 相手の非を責める態度は逆効果になることも

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Fさんの会社に限らず、社内での催促は往々にして後回しにされがちです。また遅れたことによる社内での評価を気にする社員もいます。そのため、ある意味、社外以上の工夫が必要になります。

たとえば書類の確認が必要な時は、メールを出しても埋もれる可能性があるので、メールを送ったらすぐに相手の席に行って確認してもらったり、同僚に見られないように誰もいない時間を狙ったり、さらには会議に行く廊下でさりげなく話しかけるといった気配りも求められます。

さまざまな催促を紹介しましたが、できるものなら催促などしたくないものです。あわせて催促しないですむ方法も考えておきましょう。

「催促を予防」することも効率的

・余裕を持った締め切り日にする
「ライターに原稿を頼むときには、告げる締め切り日を2日前倒しで言います」と話すのは月刊誌の編集者のG氏。遅れても2日の余裕があるし、仮に原稿がまったく書けていなかったとしても、他のライターを数人動員すれば何とか間に合わせることができるからです。

・メモで書く場所を誘導
「銀行の口座振替の書類などは、ハンコを押す場所に付箋を貼ったり、これが届いたら電話かメールで連絡くださいとか、わからなかったら気軽に聞いてくださいといった、メモをつけるだけで期日内の回収率はあがりました」と保険会社営業のHさん。

・催促が起きそうな案件を事前に防ぐ
「マンションの総会の日など、全員の予定を聞いて決めると希望日の把握に手間がかかります。そこで、初回にみんなが集まった段階で、年間の開催日を決めてしまいます。このように、そもそもなくせる催促もあると思います」(前述の大手マンション管理会社のEさん)。

そのほか、スケジュールを守ってもらえるよう、進捗状況を報告してもらったり、締め切りの前に連絡をするなど、日頃からコミュニケーションを取ることも効果的です。

催促で最も重要なのは、催促の相手だけではなく、スケジュールの全体像を常に意識することです。遅れた場合の次の業務や工程への影響などを把握できれば、自ずと仕事の優先順位が見え、やるべき催促は何かがわかるはずです。

竹内 三保子 カデナクリエイト

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たけうち みほこ / Mihoko Takeuchi

明治学院大学経済学部卒業後、西武百貨店入社。紳士服飾部、特別顧客チームを経てフリーライターに。その後、編集プロダクション・カデナクリエイトを設立。流通業で培った顧客視点で執筆を行っている。共著に『図解&事例で学ぶビジネスモデルの教科書』『クイズ 商売脳の鍛え方』など。最新著に『課長・部長のための労務管理 問題解決の基本』(カデナクリエイト著・マイナビ出版)。

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