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「情報」が株式投資を制する 自分に合った投資スタイルをどう確立するか

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「多面的に情報を見る」方法として花田氏が薦めるのが、「トップダウン」と「ボトムアップ」の両面から情報を見ることだ。

「トップダウンとはマーケット全体の動きなどマクロな情報のことで、ボトムアップとは個々の企業の業績などの情報です。まずトップダウンの情報で全体としての景気が良いのか悪いのかをしっかりと押さえ、そのうえでボトムアップの情報に着目して有望な投資先を探すという流れがいいでしょう」

「トップダウン」の情報でまず注目すべきなのは
国内総生産(GDP)

投資情報部 国内株式課
部長代理
花田政人

前述のように、トップダウンの情報を通じて知っておきたいのは、全体としての景気が良いのか悪いのかということだ。そのためには何を見ればよいのだろうか。

「景気を判断するための最もポピュラーな指標の一つは国内総生産(GDP)です」と花田氏は強調する。

「GDPは、一定期間内に国内で生産された財やサービスなど付加価値の総額のことで、内閣府が四半期ごとに集計し発表します。このGDPの伸び率がいわゆる経済成長率と呼ばれるものになります。一般的に、前年同時期に比べてGDPが増加していれば、景気が上向いているという状況で、株価が上昇する銘柄の割合も多くなります」

さらに、株式市場の動向を知るためには、物価の動向も押さえておいたほうがいいと花田氏はアドバイスする。

「物価の動向については、消費者物価指数を見ておくことも重要です。日本銀行は安定的な物価の前年比2%上昇を目標としており、この目標達成のために、可能な限り金融政策面からの支援を行うとしており、事実、7月末には追加の金融緩和に踏み切りました。最近は特に金融政策が株式市場に大きな影響を及ぼすため、目が離せない指標になっています」と花田氏が語るように、日本銀行の金融政策には注目しておいたほうがよさそうだ。 

企業の業績を判断するポイントは
「中長期的な成長が見込めるかどうか」

では、「ボトムアップ」、すなわちミクロな情報はどのようなものがあるのだろうか。

「ミクロな情報とは、現状のマーケットの中で、業績が伸びている会社を選ぶのに必要な情報です」と花田氏は話す。

「株式市場では前の期と比べての業績変化率がとても重要となってきます。できれば、売上高と利益のどちらも伸びそうな会社を見つけることが望ましいでしょう。どちらも伸びていれば、需要を拡大させて利益も伸ばしていると捉えられるからです。一方、売上高は伸びないのに利益だけを増やしている会社は、もしかしたらコスト削減を主因に利益を伸ばしているだけで、今後の業績には限界があるかもしれません。たとえばネット通販を手掛けている会社などは売上高、利益ともに拡大させている企業が多くあります。日本の人口が減少する中では、どうしても消費全体が伸びにくくなっていますが、これらの会社は時代の変化をうまく捉えて対面販売の需要を取り込んでいると理解できるでしょう。

こうした情報を見る方法として、たとえば『会社四季報』には、前期と比べて売上高や利益が増加している会社の情報が掲載されていますし、最近では『会社四季報オンライン※※という、『会社四季報』に掲載されている情報をWEBで見るサービスもあります。こうした情報を積極的に活用するのもいいでしょう」
※東洋経済新報社より刊行
※※東洋経済新報社が提供する有料のWEBサービス

『会社四季報』の情報がWEBで見られる「会社四季報オンライン」
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