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トヨタ プリウスPHVの「幅」

  • 制作:東洋経済企画広告制作チーム
プリウスPHV(プラグインハイブリッド)に対する読者の関心は“ 暮らしの中で日々使ってみてどうなのか”ということだろう。で、実際に3カ月間、プリウスPHVを自宅の車庫に収めて日常使いした結果を2例、ご紹介する。その二つの使用例の「幅」の中に、読者が知りたい答があるはずだ。

電池切れのないEV

二つの例をご紹介する前に、ざっとプリウスPHVのおさらいを。

ひとことで言えばプリウスPHVは充電のできるプリウスで、200ボルトなら約90分、100ボルトでも約180分充電すると、EVとして26.4km(JC08モード)走ることができる。このときの最高速度は時速100km。つまり、滑らかに加速をすれば時速100kmまでEVで走行できるということだ。

EV走行距離が終わるとHV走行になって、だから〝電池切れのないEV〞などと言われるわけだが、ちなみに、このときの燃費はSグレードで1リットル当たり31.6km。なんと、車両車重が60kg軽いプリウスの同グレードの燃費30.4km/リットルを上回る。新たに採用した高容量リチウムイオン電池の回生充電量が多く、エネルギー回収効率がよいためだ。

理屈からすれば、本格的なEVとしての機能がプラスされれば、そのための重量増がHV走行時には文字どおりお荷物になるはずだが、実際は逆に低燃費になっているわけで、これはサステイナブル・モビリティとして評価されるべき点ではなかろうか。

26.4kmというEV走行距離の使い勝手

エコカーとしての完成度を語り出すと別のストーリーに分け入ってしまうので、EVとしてのプリウスPHVに話を戻すと、焦点は、26.4kmというEV走行距離の使い勝手に絞られるだろう。

ちょっと考えれば、加減速が多くて燃費が悪くなりがちな近距離をEVで走れるのは好都合と気づくし、日本の場合、1日当たりの走行距離は過半数が20km以下という国土交通省のデータもあるが、そうはいっても本当に現実の暮らしに即しているのかどうか興味のあるところだ。

で、ご紹介するのは、豊田市で実施されたPHV実証実験のうちの2例である。モニターは個人一般ユーザー25名で、3カ月間、自分の自動車の代わりとして普段どおりに使ってもらった。最初のAさんは45歳の主婦。高校生の長男と中学生の長女の母親で、運転は二人の子供の駅への送り迎えと近所への買い物がメイン。3カ月間に2486kmハンドルを握った結果は、EV走行比率94%、燃費249km/リットルという素晴らしい数字になった。

一方、Bさんは26歳のドライブを趣味にする女性の会社員。平日は通勤に使って、週末に友人たちと遠出を楽しむというパターンで、走行距離1622km、EV走行比率は44%で燃費41km/リットルになった。以下、お二人のコメントである。

”充電しなければ”ではなくて”充電したい”になる―Aさんコメント

家から最寄りの駅までは片道5kmほどあるんです。子供たちは二人とも名古屋の学校へ通っているので、車で送らないと自転車かバスということになるのだけれど、自転車は坂道がかなりきついし、バスはいつも渋滞がち。で、送り迎えになるわけですが、登校時間が違うので送りは2回。帰りはできるだけ合わせるように言っていますが、やはり2回になることもあります。

あとは、週2、3回の近場への買い物と、月に1回、名古屋の病院に行きます。これが片道約30kmで、グラフで走行距離が延びている日が、その日です。 

私はぜんぜんまめなほうではなくて、むしろ、面倒くさがりやなのですが、充電するのはまったく苦になりません。カバーを開けてプラグを差すだけの単純な操作だし、すぐに、家に戻ったら充電するのが一連の動作になりました。たとえ30分でも、こまめに充電します。だって、EVで走るほど得になるわけですから、〝充電しなければ〞ではなくて〝充電したい〞のです。 

以前の自動車のときはガソリンを月に3回、1回につき約6000円分入れていました。月に2万円弱という感じです。それがプリウスPHVでは3カ月間、2486km走って一度も給油していません。もちろん、94%がEV走行ですから、その分の電気代はかかりますが、だいたい月に3500円から4000円くらいです。冬場にオイルヒーターを使うだけでそのくらいは増えますから、本当に、この程度のプラスであれだけ走れちゃうんだという感じです。 

車がどんどん身近な存在になってくる

プリウスPHVに乗るまでは、車は私にとってただの足でした。毎日の生活に必要なもので、それ以上でも以下でもなかったのです。でも、プリウスPHVに毎日充電していると、なんだか世話をしている感じで、車がどんどん身近な存在になっていきました。

HVで走っているときも下り坂とかで電気がたまっていくのを確かめたりすると、対話をしているようで、とても単なる足とは思えなくなります。で、モニター期間が終わってから、プリウスPHVに買い替えました。

色は、あえて汚れが目につきやすい黒にしました。普通のプリウスの車体にはないシルバーの加飾部分を目立たせたかったのです。やはり、プリウスPHVに乗ったからには、周りにもPHVに乗っているんだって主張したいでしょう。以前の車は3年間一度も自分で洗車しなかったけれど、今度はしっかりと洗車も頑張る覚悟です。

交差点で停止したときプリウスPHVだと誇らしい―Bさんコメント

家は両親と私の3人家族ですが、父は単身赴任で家を空けているので、いまは母と私だけ。それぞれ、自分の車に乗っています。鉄道の最寄り駅は遠いし、バスは不便で高い。車を使わざるをえないような状況があるのです。

両親も公共交通の便がよくない地方の出身で、ですから、物心ついたときから、車で移動するのが当たり前という感覚で育ちました。グラフで毎週末のように走行距離が延びているのもそのためで、親しく付き合っている6人の仲間と大阪とか木曽の馬籠とかに車で遊びに行きます。平日は、片道7kmのところにある勤め先への通勤で、このときはもっぱらEV走行ですね。 

私はエコ精神はあるほうで、言葉を替えればケチなのですが、車だけが例外でした。外観重視で、燃費が悪く、しかもハイオクの車に乗っていたのです。モニターでプリウスPHVが来て、やっと私のケチスタイルが完結したというか、電気代は母が払うので、こまめに充電しました。

Aさんと同じように〝充電したくなる〞のです。母からは〝高くなったら払ってね〞と言われましたが、遠出の多い私の場合はEV走行比率が44%だからなのか、目立った変化はなかった。なのに、3カ月の間にGSへ寄ったのは2回だけで、ガソリンを入れる感覚を忘れました。 

先ほどの6人の仲間のうち運転するのは私を入れて二人だけで、待ち合わせの場所まで2台で行って4人を乗せるのですが、そこへ行くだけでも前の車だとガソリン代が1000円かかります。それも割り勘にしてもらおうかウジウジしていましたが、プリウスPHVが来てからは〝ああ、いいよ〞というような。

使っているうちにペットみたいな感覚になって世話のしがいもあるし、地球に貢献しているのが実感できるので、交差点で停止したときなんかも誇らしい。できれば、私も買い替えたいです。

充電するほどに得になる。しかし充電がマストではない

〝充電しなければ〞ではなくて〝充電したい〞という二人の声は、プリウスPHVという車の本質を的確に表わしているように思える。電池が切れれば停止するしかないEVでは〝充電しなければ〞になりがちだが、電池が切れてもHV走行になるだけのPHVでは充電はマストにならない。充電するほどに得なので〝充電したくなる〞のだ。 

Aさんは折に触れて、Bさんも日に一度充電しているが、まったく無理はしていないことが伝わると思う。充電という点を除けば、普通の車と何ら変わることなく使っている。それでも、もっぱら近場の利用が多いAさんは燃費249km/リットルにもなり、毎週遠出のドライブを楽しむBさんでも燃費41km/リットルを記録した。お二人の使い方に近い読者は、かなり多いだろう。 

グラフからも明らかなように、お二人の使い方に見られる大きな幅こそが、さまざまな暮らし方に対応できるプリウスPHVそのものの幅と言えるのではないだろうか。