日本株の上昇は1万6389円を上回れば本物だ ブリグジット波乱を吸収したシグナルとなる

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今週に入って急反発した日経平均。米国発の好材料が強く作用したことはまちがいない(写真:角倉武/アフロ)

日経平均株価は週明け2日間で990円近く上昇しました。特に11日の601円高は、米国発と国内発の好材料がきっかけとなりました。どちらの要因が強く作用したかは検証しようがないですが、筆者の感覚からいくと、米国発が70%、国内発が30%といったところでしょうか。

米国発とはご存知の通り、8日に発表された米6月雇用統計で非農業部門雇用者数が28.7万人と大幅に伸びたことが、米景気への安心材料になったことです。そして、国内発としては参議院選挙での与党勝利が援軍になりました。参議院選挙は予想されていた結果とさほど大きく違わなかったのですが、米国発の材料ですでに強気になっていたため、与党勝利が大量の売りポジションを抱えていた売り方の焦りを強くしたものと思われます。

ダウ1万8000ドル台回復の影響力

米国発が70%とした理由のなかには、ダウ平均の1万8000ドル台回復が何よりも大きかったわけです。ダウ平均は4月以降ボックス相場でした。テクニカル分析を多用するヘッジファンドなどが1万8000ドル回復によって、「ブリグジット」による急落が「ダマシ」だったことを確信し、米国株に連動性が高くて値ごろ感のある日本株を買い戻せざるを得なかった。

確か、11日の日経平均株価の寄り付きは前週末の終値から270円高程度でした。そこから25日線(1万5814円、11日現在)まで440円程度上昇し、前週末の終値から700円を超える上げ幅となる場面がありました。10兆円規模の経済対策に合わせて、日銀が追加金融緩和策をやってくるのではないかとの期待感が440円分の押し上げ効果につながったと思われます。年金などの公的資金が出動した可能性も高い。筆者の憶測ですが、そもそも参議院選挙に向けて株高を援護射撃するはずだったのに、「ブリグジット」による波乱を警戒して様子をみていた可能性が高いのではないでしょうか。

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