中国人の「爆買い」が急速に縮んでいる理由 訪日客の目的は「買い物から体験へ」
ここ最近、全国の百貨店で免税品の売り上げが低迷し始めました。日本百貨店協会によると全国の百貨店の4月の免税品売上高は前年同月比9.3%減。2013年以来、約3年3カ月ぶりに前年実績を下回りました。すなわち、中国人観光客の「爆買い」が急速に縮んだのです。
このトレンドは、拙著『10年後も中国人に爆売りする方法』で警鐘を鳴らした「2017年に爆買いバブルが終わる」という予想より早く進んでいます。
爆買いが失速した原因としては、以下の3つが挙げられると私は考えています。
② 越境ECなど中国国内での購入チャネルの増加
③ 訪日観光の目的の変化
とりわけここで注目したいのは①と③です。
先日、爆買いを牽引した地方を含めた公務員やその家族の高級品の購買に対する自粛が密告などによる相互監視により、隅々まで浸透しているという話を中国政府高官から聞きました。
「高価な時計やカメラ、ブランド品のバッグや服などは絶対に身に着けず、おカネを持っていることを極力見せないようにしている。また、中国の地方政府の高官が日本に公務で訪問する場合、泊まるホテル、レストランを事前申請して訪日をするようになり、それ以前とは比較できないくらい質素になった」と彼は嘆いていました。
③に関していうと、中国人観光客の訪日目的は買い物ではなく、食や文化、教育や医療に変わってきています。特に、個人旅行者やリピーター客はこの考えが顕著です。爆買いという言葉を聞くと「モノ」をイメージする人が多いですが、いま中国人観光客は「体験」を求め、日本にやってきているのです。
では、「体験」を求める中国人観光客数をどうしたら増やせるのか?
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