MBA官僚がつかんだ、日本変革のヒント シカゴ大の名物授業で、真のベンチャー魂を見た!

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日本のコンテンツの人気が高まる中、海外市場から、日本の才能あるクリエーターの作品が求められていること、両者を結びつけるにはさまざまな問題があるが、オリガミ社が橋渡し役となれば解決できること、潜在顧客からのフィードバックを踏まえた優位性のあるビジネスモデルであることなど、予行演習したとおりにうまくプレゼンできた。

聞いていた審査員からは質問や助言もあり、上々の出来だった。

発表後、機材を片付けていたところ、思わぬことが起きた。「カプラン教授が僕らのところまで駆け寄ってきて、『みんな、よくやった。君たちのチームが全チームの中でいちばん成長したよ! このペースで頑張れ!』と言ってくださったんです。最下位からのスタートだっただけに、メンバー全員、泣きそうになりました」

“MBA官僚”に、何ができる?

結局、森田さんのチームは、残念ながら2度の中間報告会でトップ8に残れず、5月の最終報告会を待たずに、ここで敗退となった。

「最終的な順位は発表されていないのでわからないのですが、教授は、総評のときに『惜しくも落選してしまったチームの中には、トップ8と遜色のないすばらしいチームがあった。まだまだこれからも頑張ってほしい』と言ってくださいました。その僅差で敗れてしまったチームの中に、オリガミ社が入っていたので、次につながったのだと思います」

残念な結果に終わったからといって、ここで諦める森田さんではない。森田さんは、さらに、起業家の卵を集めた夏の集中プログラムに挑戦。このプログラムに選抜されれば、学校からオフィスとサポートが提供される。

森田さんのオリガミ社は、地元メディアにも取り上げられるまでに
(記事は www.chicagobusiness.com2012年8月21日より引用、引用元はこちら
 

応募者40人中10人しか選ばれない難関だったが、森田さんは、見事合格。チームメンバーが皆、インターンとして企業で働くなか、森田さんは1人、起業家養成プログラムを通じて、「オリガミ社」のプランをさらに磨き上げていった。

集中プログラムの最後には、投資家やマスコミ向けのプレゼンもあり、オリガミ社も地元メディアで、「シカゴ・ブース発の注目ベンチャープラン」として取り上げられた。

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