日本製ヤンゴン路面電車、半年で運休のワケ 新政権の事業仕分け?広島電鉄関係者も困惑
日本の広島電鉄の車両を利用したヤンゴンの路面電車「ストランド線」が、7月から運行を休止した。今年1月の運転開始以来、わずか半年で取りやめとなった形だ。事故や故障が原因ではなく、利用者が少ないことによる赤字が理由だという。広島電鉄など日本の全面協力で実現したもので、日本の援助関係者からは驚きと失望の声が漏れている。
わずか半年で運転取り止めに
この路線は、ディーゼルが主流のミャンマーで、初の路面電車として今年1月に誕生。ヤンゴン川沿いの6キロをおよそ30分で結ぶ。ヤンゴン環状線の電化に向けた実験線との位置づけだ。ミャンマー側が強く日本に協力を求めたもので、テイン・セイン前大統領の肝いり事業の一つとされる。
要請に応じた広島電鉄が中古車両を譲渡したほか、ミャンマー国鉄職員を招いてメンテナンスの研修を実施。日本の商社が破格の条件で協力したうえ、国土交通省も調査費などを負担するなど、日本の官民が支援してきた。
1月に行われた出発式には、ミャンマーのニャン・トゥン副大統領(当時)ら政権幹部も出席。樋口建史・在ミャンマー日本大使も駆けつけ「古いものを大事に使うことが大切だ」と熱弁をふるった。
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