フレッシュネスの「ちょい飲み」は本気だった 日本酒の発酵酵母を使ったバンズがウリ

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「開店後約20日現在の反響は非常に大きく、売り上げは改装前の既存店のほぼ倍。特にアルコールは非常によく出る」(船曵常務取締役)とのこと。1日の客数は平均で150名程度で、ハンバーガーの出数は500食といってもほぼすべてがランチ利用だそうだから、狙いどおりだったと言えるだろう。それもそのはず、関内駅の反対側には繁華街として有名な伊勢佐木町があるなど、酔客を引き寄せる街。夜はもちろんだが、休日なら昼間からお客でいっぱいになる。夜の客単価は2500円と、アルコールの店としては低めなのも、好評の理由だろう。

クラフトビール3種類が生で飲めるビールサーバーを設置

ただ、飲みの客以外にも、ビジネスマンや近隣住民、観光客など客層が幅広いため、1号店と同様、ランチやカフェにも力を入れる必要がある。朝仕込んでおけばいいカレーをメインにするなど、オペレーション負担を軽減する工夫をしている。

クラウンハウス3号店についてもすでに場所を探しているところで、都心部のオフィス街がターゲットになりそうだという。

「今回は狙いが当たったが、夜の売り上げを取っていくのは簡単ではない。しっかりと本業(バーガー店)を運営していくことも大切。そのためのひとつの方法として、新規業態で開発したメニューや接客ノウハウを本業にフィードバックしていくことも効果的だと考えている」(船曵常務取締役)

ライバルは「UMAMI BURGER」

ちなみに、クラウンハウスのライバルとして意識するとすれば、ロサンゼルス発祥で、年内に日本上陸が予定されている「UMAMI BURGER(ウマミ・バーガー)」だという。確かに、素材にこだわったバーガーだけでなく、お酒に合うおつまみ、スイーツなどを幅広くそろえる。店名のとおり「うまみ」のある味は日本人の口に合いそうだ。

ちょい飲み需要をめぐっての競争は、業界を超えてますます激しくなりそうだ。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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