共産党「人殺し予算」発言のボディーブロー 辞任をしてもダメージは消えそうにない

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6月28日夜に行われた藤野保史政策委員長(左)の辞任会見には、小池晃書記局長も陪席した(筆者撮影)

テレビの討論番組で防衛予算を「人を殺すための予算」と述べた共産党の藤野保史氏が6月28日夜、党本部で会見を開いて政策委員長を辞任することを表明した。

藤野氏は京都大学を卒業後、穀田恵二氏と吉井英勝氏の秘書を務め、2003年に党中央委員会の政策委員に就任した党エリートだ。2014年の衆院選では北信越ブロックで当選を果たし、今年4月からは当選1回生ながら日本共産党中央委員会政策委員長に抜擢されている。

わずか2カ月で辞任

このように順調に出世していくかに見えた藤野氏だが、わずか2か月後には失言のためにその地位を去らなければならなくなった。それまで共産党の将来を担うホープと目されていたのに、藤野氏はいったいどこで躓いたのか。

それは6月26日に放映されたNHKの日曜討論だった。参院選特集として番組の放送時間は通常より15分延長され、9党の政策責任者が経済や社会保障、さらには憲法改正などを巡って議論を深めるはずだった。問題が発生したのは各政策責任者が“暮らし”について議論していた時だ。藤野氏は「軍事費は戦後初めて5兆円を超えた。しかし人を殺す予算ではなくて、人を支えて育てる予算を優先していくべき」と述べたのだ。

この発言に、共演していた他党の政策責任者たちが驚愕した。

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