再登場した「カシオペア」は何が変わったか 最新鋭の機関車が牽引して北海道へ向かう!

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函館本線を行くDF200牽引のE26系カシオペアクルーズ

カシオペアクルーズの運転は、2017年春に営業開始が予定される「TRAINSUITE四季島」のプレ企画ともいえ、一般営業では見られない付加価値の高いサービスを特徴としている。食事関係では著名なシェフが素材を吟味した特別なメニューを整え、「トレインクルー」と称する車内サービス専属スタッフも同行する。

細やかな“もてなし”の一方、ツアー募集人員は、E26系客車の編成定員(176人)に対して30~50人(初期の2回は除く)と抑え、1人当たりの旅行代金を30~60万円に設定。また、車中泊のほか行程の中で現地の高級旅館やホテルに1泊することもツアーのセールスポイントになっている。

車内における食事については、ホテルメトロポリタンの料理長、「食の都庄内」親善大使のシェフ、大沼湖畔のレストラン「ターブル・ドゥ・リバージュ」が手がける料理、塩竃のにぎり寿司などが提供される。今夏の企画の募集人員は各回34人。旅行代金はこれまでと同じく個室のグレードによって幅があり、1人当たり48万~60万円となっている。

機関車と客車は均整がとれて美しい

2016年8月号(6月21日発売)。特集は「機関車新旧交代」。画像をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

「カシオペア紀行」を利用するびゅうトラベルサービスのツアーでは、ダイニングカーの夕食と朝食のほかツインの個室内で食事をとるプランもある。2~3泊の北海道ツアーを組み合わせた旅行代金はおおむね15万~30万円。

DD51重連のフォルムも詩情ゆたかであったが寝台車に匹敵する屋根高さの機関車とのペアは均整がとれて美しい。熊の愛称そのままのボリュームあるDF200が寝台列車を牽引する勇姿を披露するのは初めてだが、DD51には荷が重かった現車12・換算50の列車もこのハイパワー機にとっては軽い仕業だ。定期列車であったらスピードアップも可能だったかもしれない。

思えば歴代の寝台特急の牽引機は客車よりだいぶ背が低かった。重量級の機関車が軽量の客車を牽く。赤い車体が北国の夏に映える。期間限定の夢の舞台ではあるが。

(撮影:久保田敦)

 

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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