目撃者が語るフロリダ乱射事件の凄惨な現場 あっという間に「床は人だらけになった」
銃声が鳴り響いたとき、米フロリダ州オーランドのパルスナイトクラブではまだ音楽が大音量で流れてはいたが、夜は終わりに近づいていた。
当初、銃撃音はそれほど注目を集めなかった。
「爆竹だと思った」と、DJとしてクラブで働くレイ・リベラ(42)は語る。そこで、リベラは流していたレゲエソングの音量を下げた。
銃声は止まなかった。ひっきりなしに銃撃が続き、人々が倒れ始めた。一部はパニックに陥ったため、一部は負傷したため、一部は息を引き取ったためだ。
「床に死体が見え、床はどこも人だらけになった」とリベラは語る。「カオス状況で、皆が逃げようとしていた」。
フロリダ乱射事件の特殊性
銃を乱射した男、オマル・マティーン容疑者は、パルスに人を殺すためにやってきた。自らが撃たれるまでの3時間、マティーンは数十人を撃ち続けた。
フロリダでの乱射事件は、銃撃が終わる前から米国史上最悪の乱射事件と位置付けられた。クラブ内で発見された死者は、警察との銃撃戦で午前5時ごろに殺された銃撃犯を含め39人だった。そのほかに9人が地元の病院か、病院への搬送中に死亡。オーランド市長バディ・ダイアーによると、クラブのすぐ外の路上で2遺体が発見された。負傷者は53人に上った。
「Mass shooting(銃乱射事件)」が驚くほど一般的になり、この言葉はいまや一般用語になりつつある。乱射事件が大幅に増えた、コロンバイン高校銃乱射事件以降の世界においても、今回フロリダ州中部の小さなナイトクラブで起こった惨事は、その残虐性においてだけでなく、一見秩序だって実行されたように見える点においても衝撃的である。