ダイハツ、新型「ムーヴ」に映る危機感

スズキ「ワゴンR」、ホンダ「N」シリーズを迎撃

エコカー補助金切れで販売が落ち込む国内自動車市場にあって、予想外に堅調な販売を保っているのが軽自動車だ。軽自動車首位のダイハツ工業は12月20日、主力軽乗用車「ムーヴ」「ムーヴ カスタム」を一部改良(マイナーチェンジ)して発売した。価格は107万円~155万円。目標とする月間販売台数は1万2000台、当初3カ月では5万台の受注を狙う。

今回はマイナーチェンジにもかかわらず、主力車種「ムーヴ」シリーズだけに、都内のホテルを借り切って発表会を開催するほどの気合いの入れようだった。伊奈功一社長自らが登壇して、「軽自動車の本質である低燃費・低価格にこだわり、ダイハツの考えるクルマづくりのすべてを盛り込んだ」と強調。10年のフルモデルチェンジから2年が経ち、「マイナーチェンジとしては異例の大幅な改良」(ダイハツ)と言うほど、確かに力の入った変更が加えられている。

燃費で「ワゴンR」と極限のせめぎ合い

第1の特徴は、伊奈社長の言葉通り、1リットルあたり29キロメートルという、いわゆる軽トールワゴン車クラスではナンバーワンの低燃費性能。ムーヴとガチンコでぶつかるスズキの「ワゴンR」が掲げてきたクラストップ燃費を200メートル上回る値を作ってきた。エンジン温度制御の最適化やアイドリングストップ機能の拡大などでワゴンR超えを達成した。実際の燃費ではワゴンRと大差ないだろうが、営業上、「ナンバーワン」の称号には重みがある。価格も107万円というグレードを用意、さすがにこれには後述の安全装備もなく、あくまで“呼び水”ながら、低価格へのこだわりも示した。

もう1つの大きな特徴は、軽自動車では業界初となる衝突回避(自動ブレーキ)システム搭載など、安全装備の強化だ。衝突回避システムは、時速30キロメートルまでの走行時に先行車との衝突の危険が高まった際に、自動でブレーキを掛けるもの。相対速度が時速20キロまでなら衝突を防ぎ、30キロまでなら衝突時のダメージを軽減できる。また前方に壁などがある場所での停止時に、ブレーキとアクセルを踏み間違えたとき、自動でアクセル出力を制御し衝突を防止する機能もある。

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