ジャンボ機にこだわる「ドイツの翼」の秘密 日本の顧客はプレミアム戦略でつかむ
「ジャンボ」の愛称で親しまれた、ボーイング製の大型航空機「B747」。4基のエンジンを備え、2階建ての客室を持つ。かつては日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)といった日本の航空会社も、国内線、国際線の両方で飛ばしていた。しかし、燃費効率の悪さや、席数の多さゆえの客数確保の難しさもあり、JALは2011年、ANAでは2014年に退役している。
一方、日本発着の便で、旧型ジャンボの「B747-400」と最新型の「B747-8」をいまだに飛ばし続ける航空会社がある。欧州最大のエアライン、独ルフトハンザドイツ航空だ。同社はこのほか、エアバス製の「A340」も飛ばしており、日独間を結ぶ便はすべて4基エンジンを積んだ大型機で運航されている。
なぜ大型機にこだわるのか?
ルフトハンザと提携するANAが日独間で飛ばしているのは、エンジンを2基だけ積んだ「双発機」のみだ。技術の向上が進み、燃費効率と航続距離が両立できるようになってきたことで、双発機は近年の航空業界のトレンドになっている。ANA、JALともに近年多数を発注しているボーイング製「B787」はその代表格と言える。
では、ルフトハンザがそのトレンドに逆行しているようにも見える戦略を取るのはなぜなのか。
このほど来日したルフトハンザグループのカーステン・シュポアCEO(最高経営責任者)を直撃すると、こんな答えが返ってきた。「グローバル企業として、“プレミアム”にこだわらなければならない」のだという。
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