投資家は東洋ゴムの惨状に愛想をつかした

業績は反落、改革を担う会長が突如辞任

改革の担い手だったはずの駒口克己会長(左)は5月27日突然辞任。写真は2015年11月12日の臨時株主総会で。右は清水隆史社長(写真:共同)

国内タイヤ4位の東洋ゴム工業の株価下落が目立つ。

東洋ゴムの株価は2015年3月に免震ゴムのデータ改ざんの不祥事発覚を受け、2700~2800円からいったんは2107円の安値をつけたものの、その後は本業のタイヤの好調により、急回復、上昇して、2015年8月には上場来高値の3030円をつけ、時価総額も3000億円を超えて国内3位の横浜ゴムと肩を並べた。

ところが、足元の株価は6月7日の終値で1274円と半値以下になっている。今年5月13日の第1四半期決算の発表では円高による収益後退と昨年発覚した免震ゴムをめぐる不祥事に関する特損を理由に、今2016年12月期の業績予想を下方修正。株価は300円超の大幅な下落となった。5月27日には改革の担い手とされていた駒口克己会長が突然辞任した。

ガバナンス改革を断念して辞任?

突然、会長を辞任した駒口克己氏は65歳で、京セラ出身。同社の複写機部門を再建し京セラの専務も努めた人物で、東洋ゴムが不祥事を受けたガバナンス改革のために招聘し、2015年11月に会長に就任、今年1月に代表権がついていた。ただ、2月に入り体調を崩し、それが長引いていたという。5月中旬までは出社もしていたが、27日、「一身上の都合」で辞任、会長は空席となった。

辞任は社内改革が難航したため、との見方もあるが、真相は明らかになっていない。旗振り役だった会長の辞任で、改革は清水隆史社長が担うことになるという。会社側は、社外取締役と監査役に月一回、改革の進捗を報告することになっており、改革の継続は担保されるとしているが、後退は否めないだろう。

株価が昨年前半に好調だったのは、前2015年12月期の業績が好調だったためだ。SUV用タイヤが北米で売れていたうえ、原油価格下落による原料安、円安による増収効果があり、営業利益、経常利益は過去最高となった。ジョージア州に新設した新工場が稼働し、需要が盛り上がったピックアップトラック向けに大型タイヤが伸びた。ところが、今期は北米でのSUV用タイヤの好調は続いているものの、円高により営業利益は前期比18%の減益となる見通し。

また、国土交通大臣認定に不適合であるとされた計154棟、約3000基の免震ゴムの交換作業が思うように進んでおらず、費用が当初見積もった以上に膨らんでいる。

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