「韓国人慰霊碑」に献花するのか、しないのか 韓国が注目するオバマ大統領広島訪問の焦点

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5月27日、オバマ大統領が広島を訪問する。写真は原爆死没者慰霊碑(写真: skipinof / PIXTA)

5月26日に開催した主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)。サミットの結果以上に、関心が持たれているイベントがある。現職の米国の大統領による広島訪問だ。

27日に予定されているオバマ大統領の広島訪問は、原子爆弾を投下した国の元首が直接被爆地を訪れるという画期的なイベント。同時に、原爆を投下したことに対し、オバマ大統領が現地でどのような発言を行うか、世界中が注目している。

中でもその一挙手一投足をじっと見つめている国がある。それが、韓国だ。

「戦犯国が被害者に」との厳しい声も

今年4月、大統領より先にケリー国務長官が広島を訪問した際、韓国メディアはやや敏感に報道した。韓国最大手紙「朝鮮日報」は、「第2次大戦に敗戦したことでできた『平和憲法』の改正を模索する状況で、ケリー長官の平和公園訪問が、戦争を起こした日本の『加害』を希釈させ、『被害』を浮上させる結果につながる可能性があるという懸念もある」と、歴史問題を絡めて強い懸念を示したのが代表例だ。

朴槿恵政権発足以降、何かと日本の外交にいちゃもんをつけてきた韓国としては、そのような反応が出ることは驚くに値しない。結局、「米国の大統領が広島を訪問し、原爆投下に対し謝罪めいたことを発言すれば、加害国の日本の責任があやふやになる」という論調の報道が相次いだ。

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