検証・三光汽船 2度目の破綻の真相

海運市況の崩壊で”座礁”

今年3月9日深夜、海運業界に激震が走った。三光汽船は船主、造船所、海外金融機関に支払い代金の繰り延べを要請すると公表。その後すぐに国内金融機関を対象に事業再生ADRを申請した。

三光の経営不振は業界内で広く知られていた。海運市況の暴落で赤字拡大が確実視されていたほか、保有船を次々と売却していたことで、資金繰りの厳しさをうかがわせた。しかし、多くの関係者は、破綻するほど深刻な事態に三光が直面しているとは、考えていなかった。

それは、海運ブームに乗って稼ぎまくった三光の記憶が鮮明だったからだ。バラ積み船市況が好調だった頃の経常利益は700億円前後(右下グラフ参照)。一時は日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社の一角を崩す利益水準に上り詰めた。まだ余裕があるはず。そう見えた。

三光は何を間違えたのか。検証していくと、三光の事業モデルの脆弱さに行き着く。バラ積み船やタンカー、コンテナ船、自動車船、LNG船などあらゆる部門を抱える「総合経営」の大手に対し、三光はバラ積み船とタンカーに特化していた。

大手は長期契約で安定収益を確保しているが、三光は短期のスポット契約が主体だ。ひとたび市況が上昇すれば大手よりも利益が大きく伸びる一方、著しく市況が悪化した場合の経営はもろい。

元来脆弱な事業モデル 再上場がプレッシャーに

日本の海運業の中で市況商売中心の三光は珍しい存在だ。それは三光の歴史に由来する部分が大きい。三光は1985年、当時で戦後最大の負債を抱えて経営破綻。このため信用力が落ち、輸送の安定性を重視する鉄鋼や電力といった有力荷主と長期契約が結べずにきた。体力に乏しい更生会社であるがゆえに、投資負担の重い多角化も難しかった。

98年に更生計画が終了、その後は細々と事業を継続してきた三光だが、21世紀に入るとフォローの風が吹く。中国の資源爆食で始まった2003年以降の海運ブームである。

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