参院選当落分析、愛知「民進王国」は守れるか 北信越・東海ブロックの見どころは?

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そこで枝野幸男幹事長が白羽の矢を立てたのが菊田真紀子衆院議員だ。菊田氏は2012年と2014年の衆院選で新潟4区に立つも、自民党の金子恵美氏に敗北。いずれも比例で復活している。

よって菊田氏が参院に鞍替えしても、獲得議席数が変わるわけではない。しかし2月に入って事情が変わった。金子氏の夫である宮崎謙介前衆院議員の不倫スキャンダルが勃発したのだ。このスキャンダルは予想以上に大きくなったため、もし衆参同日選があるなら菊田氏を新潟4区に留めておいた方が勝算があると執行部が判断し、菊田氏の擁立を断念。とうとう森氏が統一候補の座を射止めたのである。

石川は現職の岡田直樹参院議員が安定している。父は北國新聞社会長の岡田尚壮氏で、妻は森喜朗元首相の姪という名門。知名度もあり、かつては森元首相の後継とも目された。雅子妃殿下とは東大の同期でもある。

野党統一候補の柴田未来氏は北海道紋別市出身で、父は紋別市議会議長の柴田央氏。紋別市議を11期も務めるベテランだ。神戸大学法学部出身で、2000年に弁護士登録した。今年になって新興宗教の入信歴が話題になったが、問題視されなかった模様。自民党側は「女性弁護士なら優秀だ。油断できない」と警戒心を怠っていない。

富山で炸裂した女性パワー

 富山で1918年に起こった米騒動は、最初は25、6人の女性から始まった。米価の高騰に、台所を預かる女性たちが立ちあがったのだ。それから98年を経て、同じような女性パワーが前例のない「出馬会見後の公認すげ替え」を実現した。

民主党富山県連(当時)は当初、新人の今井基之氏を擁立することを決定し、今年1月には出馬会見を行った。ところが反対論が湧きあがる。理由は今井氏が自民党議員の公設秘書を務めていた点だ。

「今井氏はかつての敵。自民党の柘植芳史参院議員や宮本周司参院議員の秘書だった人物を立てるわけにはいかない」――。このように叫んで立ちあがったのは、市民グループの女性たちだ。主婦を中心に800人集会を開くなど勢いづき、これに社民党が乗っかった。

社民党が乗った意味は大きい。

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