鉄道模型も売り上げ拡大 「Nゲージ」にはまる団塊と母親 もはやマニアの趣味を脱却

 鉄道模型「Nゲージ」の売れ行きが伸びている。“マニアの世界”と思われがちだったが、最近の鉄道ブームを追い風に、一気に大衆化してきた。

デパートで開催される鉄道模型ショーには、親子連れなど幅広い年齢層が押しかける。東京・銀座には、お気に入りのNゲージ車両をキープできる「鉄道バー」がある。昨年7月には巨大鉄道ジオラマをメインとしたアミューズメント施設「ホビスタ」が兵庫・尼崎市にオープン。このほか「鉄道カフェ」「鉄道中華料理店」「鉄道居酒屋」など、鉄道模型のジオラマを集客の目玉とする飲食店が数多く開業している。

本物の鉄道を再現 ジオラマファンも流入

一口に鉄道模型といっても、いくつかの種類がある。欧米では線路幅16・5ミリメートルの「HOゲージ」が主流だが、日本での主役はNゲージである。線路幅は9ミリメートル、縮尺率は150分の1~160分の1で、HOよりも2回り小さいが、日本での市場シェアは7~8割に達する。

もともとドイツのメーカーが開発したNゲージを1965年から日本で生産を始めたのは、「カトー」ブランドで知られる関水金属。1畳あれば最小限レールを組んで走らせられるNゲージは、日本の消費者ニーズに合致した。現在の日本の鉄道模型の市場規模は約150億円、そのうち7割の110億円程度がNゲージだ(関水金属調べ)。

日本のNゲージ市場は、関水金属と、トミーのホビー事業が分社してできたトミーテック(ブランド名はトミックス)が2強。これに車両専門のマイクロエースを加えた3社で、市場の約7割を占める。

トップ2社は車両だけでなく、レールからコントローラー、ジオラマの背景、アイテムまですべてを供給する。その精巧さは見た目だけではない。たとえばレール。カーブでは微妙なバンク角を作って、車両が脱線せずにスムーズに曲がれるようになっている。「モーターのコイルも自社で巻いている」(関水金属の販売子会社・カトー営業部の川崎太志氏)。細かい部品の数々はとにかく自社生産。トミーテックの車両は「おもちゃ団地」のある栃木県の壬生(みぶ)町で生産している。

各社ともここ数年、鉄道ブームに乗って、売り上げを伸ばしている。トミーテックの木村三雄専務は、「前年度比10%増ペース。業界全体でも4~5%伸びているのでは」と話す。関水金属では、線路などの供給が追いつかないほどの繁忙状態という。

ブームの陰にはメディアがある。テレビドラマ「特急田中3号」、マンガの「鉄子の旅」などで鉄道ブームが拡大。昨年2~3月にはNHK教育テレビの趣味悠々シリーズで「ようこそ鉄道模型の世界に」が放送された。主にHOゲージを扱ったものだが、マニアだけではなく、団塊世代の初心者などにも好評だった。今年3月からはNゲージを対象とした新シリーズが放送されている。

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