富士フイルム、突然の社長交代でみえたもの

76歳の古森会長が、今でも絶対的な力を維持

社長交代でも意思決定の大きな枠組みは維持されそう。左から古森会長、中嶋社長、そして新社長となる助野氏(撮影:尾形文繁)

「このたび、中嶋君から『健康上の問題があり、社長の激務に耐えられない』と申し出があった。引き止めたが意思は固く、社長を交代することになった」

社長交代の経緯について語る、富士フイルムホールディングスの古森重隆会長兼最高経営責任者(76)の口調は険しかった。

4月27日、富士フイルムは急遽、記者会見を開催。6月1日付けで助野健児(すけの・けんじ)取締役執行役員(61)を社長兼最高執行責任者(COO)とする人事を発表した。現在の中嶋成博社長兼COO(67)は副会長になり、同月29日開催の定時株主総会をもって、それも退く。

会見には古森会長、中嶋社長、助野氏の3名が登壇。中嶋社長は自らの降板について、「社長に就任して以来、世界中を飛び回ってきたが、若い頃にかかった病気の後遺症で、半年ほど前から体調を崩すことが多くなった。今年度が中期計画の最後の年。次の中期計画からは私の右腕だった助野取締役に今後の成長を託した」と、説明した。

「助野君は国際感覚が豊かだ」

中嶋社長に代わって社長に就任する助野氏は、入社以来一貫して経理・財務畑にいた人物。英国と米国で合計12年間の海外経験を持つ。2012年からは経営企画本部長として会長・社長の右腕として働いてきた。

古森会長は中嶋社長の後任を決めるにあたり、「腹案として、何人か候補はいた」と明かした。が、「その中でも助野君は国際感覚が豊かで、海外M&Aの経験もある。富士フイルムのさらなる発展を担うにふさわしい人物だ」と、新社長への信頼感を強調した。

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