2017年卒生が対象の今年の就職戦線も、企業の採用広報解禁から約1カ月半が過ぎた。広報解禁は2015年から3月開始と、長年続いた12月から後ろ倒しになったうえ、面接などの選考活動の解禁は2015年の8月から今年は6月に前倒しとなっている。
これまで広報解禁から選考解禁まで4~5カ月確保されていたが、今年からは3カ月と就活期間が“圧縮”されている。超短期決戦ともいわれる中で、これまでにない動きが出ている。
合同企業説明会には学生がまばら
3月下旬に東京ビッグサイト(江東区)で開かれたリクルートキャリア主催の就職合同企業説明会「リクナビLIVE」。会場の大きさに比べて学生の参加数はまばらだ――。解禁初日の3月1日に幕張メッセで開かれた「リクナビLIVE」には、約3万6000人の学生が殺到したが、この日の来場者は9分の1の約4000人。リクルートキャリア・就職みらい研究所の岡崎仁美所長は「12月解禁だった頃の4月の雰囲気に近い」と、閑散な様子を語る。
例年、合同企業説明会は解禁日から1カ月以上にわたり盛況が続いていた。だが今年は、わずか3週間足らずで様変わりしている。すでに就活生の関心は、就職キャリアが主催する合同企業説明会から、採用企業が開催する会社説明会に移っている。
企業側も就活期間が短くなったことで、1日も早く学生を囲い込もうと、採用活動に拍車を掛ける。すでに3月上旬から会社説明会を始めている企業も多い。
損保ジャパン日本興亜が4月初めに開催した会社説明会の参加者は約4000人と、昨年より1000人も多かった。日程が昨年より1日増えたこともあるが、就活生の人気の多さを実感する。また、ACサーボモーターや産業用ロボットを手掛ける安川電機は、「リクルーターを積極的に活用して、学生との接触を増やしている」(採用担当者)と話す。このように、ターゲットを絞った採用活動を行う企業もメーカーなどには多い。一方で、「大企業でも目標のエントリー数を確保できない企業も見られる」(文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所・平野恵子主任研究員)という。
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