弱肉強食時代に勝つ「戦友型夫婦」の潜在力 「ハウス・オブ・カード」の2人が示唆するもの
長年コンテンツ業界で仕事をしてきた岩崎夏海氏が、その中で培った「価値の読み解き方」を駆使し、混沌とした現代のライフスタイル感をつづります。本記事は岩崎夏海メールマガジン「ハックルベリーに会いに行く」(夜間飛行)からお届け。
最近、再び『ハウス・オブ・カード』を見ている。先日、シーズン4が公開されたばかりだ。ぼくは、これを見るためにわざわざNetflixに入会した。それほどのキラーコンテンツなのだ。
けっして大袈裟な表現ではなく、『ハウス・オブ・カード』は10年代を代表する映像作品だ。それは、面白さもさることながら、内容が現代の本質、あるいはこの社会の行く末を暗示しているからだ。それを読み解くためのヒントがちりばめられている。
すぐれた映像作品には時代を読み解くヒントがある
かつて『二十四の瞳』を初めて見たとき、そこには1940年代を読み解くためのヒントがちりばめられていることを知った。『秋刀魚の味』を見たときも、そこに1960年代を読み解くためのヒントがちりばめられていた。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も同様で、1980年代を読み解くためのヒントがちりばめられている。
そういうふうに、すぐれた映像作品にはその年代を読み解くためのヒントが(おそらくは無意識のうちに)無数にちりばめられている。そうしてそれは、数十年後に振り返ったとき、初めてそれが指し示していた意味が分かるようなものである。
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