「世界的1兆円企業目指す」 メガネの“革命児”ジェイアイエヌ社長に聞く

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--人材採用においても、他業界からの中途採用が多いそうですね。

同業界の人は、メガネの販売はこういうものだと刷り込まれている固定観念があり、われわれの店でうまく機能しにくい。一方、中途でこの業界と関係ない人は柔軟でなじむんですよ。特に居酒屋出身の社員は店舗の戦力として非常にいい。われわれは商品だけではなく、オペレーションや採用活動もすべて新しいものを作り出すという意識でやっている。

店舗の完成度もまだ3割。お客様の待ち時間の長さなど、改善余地はまだ7割あると思っています。メガネはもともと小売業の中でいちばん属人的な能力を要求される。アパレル販売などとは違い、メガネの場合は視力測定や加工、お渡しのフィッティングで専門知識が必要。それが壁となってグローバル展開も難しい。

欧米の小売り・サービス業では日本に比べてグローバルに通用する企業が多い。それは、欧米のサービス業の運営が非常にシステマチックであるのに対し、日本のサービス業は「おもてなし」の言葉に象徴されるように属人的な能力に依拠するところが多いためだ。

--その最たるものがメガネ業界だと。

メガネに関しては、欧米企業も属人的な域から脱し切れていない。私はそれをどうすればウォルマートのようにシステマチックにできるかを考えている。その一例を示したのが自動販売機(PC用メガネ販売で今年7月から設置)。高速道路のETC化と同じようなイノベーションが目指すところです。

製品にイノベーションが起きれば、オセロを全部引っ繰り返すように変わってしまう。メガネは昔、宣教師フランシスコ・ザビエルが日本に持ってきたとされるが、その後450年近く、視力補正機能から変わっていなかった。それをイノベーションによって歴史を変えようというのが、今のわれわれの合言葉です。そうすれば、世界のメガネがJINSになる。そういう世界を作ってみたい。

目標は世界一、だから現状に満足せず成長できる

--壮大な目標ですね。

製品でいえばアップル。オペレーションでいえばウォルマートやマクドナルドのような会社。中期目標は売上高で1000億円ですが、できれば製品イノベーションで1兆円を目指せるぐらいの企業になれたらと思っています。

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