最新版!「CSR企業ランキング」トップ700社 1位は富士フイルム、2位に富士ゼロックス

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2位は富士ゼロックス(569.9点)。富士フイルムホールディングスの中核子会社のため、財務評価は親会社の富士フイルムのデータを使い、ランキング対象としている。

人材活用94.9点(12位)、環境94.4点(20位)、企業統治+社会性96.4点(13位)、財務284.2点(富士フイルムの得点)といずれも高い得点となった。

同社は「CSRは経営そのもの」という信念のもと「事業とCSRの統合」を進める。経営層がCSR会議で定期的にリスク対応について議論し、必要な意思決定を行う先進的な体制も整備。CSRをトップダウンで推進している。

サプライチェーンでの関係も重視し、取引先と自社でCSR調達の理念や目的を共有するための説明会やトップセミナーを開催。各自で自主的にCSR活動を取り組めるようマネジメント・ガイドラインやセルフチェックリストも作成している。さらに専門チームが取引先を訪問し改善活動支援を行うなどサプライチェーン全体でのCSR向上に力を入れる。

他にも社員が業務スキル等を活用し、NGOのメンバーや運営ボランティアとして参加する「プロボノ」やアジア新興国での児童教育格差是正の支援を目的とした「教材提供プロジェクト」をフィリピン、ミャンマー、タイで実施する「BOPビジネス」など幅広い活動を行っている。

製造業としては高い女性管理職比率6.2%、女性部長比率6.3%と女性活用も他社より一歩先んじている。新卒採用で外国人は全体の10%、障害者は同2%を採用するなどダイバーシティでも先進企業だ。

コマツが機械メーカーで初のトップ3内に

3位のコマツ(565.5点)は機械メーカーとして初のトップ3入り。人材活用94.9点(12位)、環境94.4点(20位)、企業統治+社会性95.8点(16位)、財務280.4点(11位)といずれも上位だ。

同社は本業を通じて社会に貢献することをCSRと位置づける。インドで若者の就業に必要な技術を身につけるための溶接技術学校に必要な機材提供や講師を派遣。ほかにも東日本大震災で大きな被害を受けた石巻市の病院へ自社グループ商品の仮設ハウス寄贈など本業に関連する貢献を多数行っている。

外国人公務員への贈賄を含む腐敗防止の強化を図るなどグローバル企業としてコンプライアンス面の対応も充実。日米欧の排ガス規制に対応した建機の開発・発売、燃費が従来比25%向上したハイブリッド建機の開発・販売など環境ビジネスの展開も進める。

障害者雇用率は法定の2%を大きく上回る2.58%。他の社員と同様、目標面談を行い、個人の業績評価によって報酬に差をつけるなど本人の自立・自活を目指した雇用を進める。女性管理職比率も前年比0.5ポイント増の4.0%と多様な人材を戦力とする職場になりつつある。

同じく3位のブリヂストン(565.5点)。人材活用91.1点(34位)、環境98.6点(3位)、企業統治+社会性95.8点(16位)、財務280.0点(12位)といずれも高得点だった。

2020年までに2005年を基準とした全製品の原材料調達から廃棄までの全過程でのCO2排出量を売上高当たりで35%の低減を目指す。太陽光発電を国内5工場、2研究施設で導入するなど再生可能エネルギー利用にも積極的だ。原材料調達でのグリーン調達は包括的なガイドラインを定めて実施。事務用品等のグリーン購入は91.8%(2014年度)と環境活動のレベルはトップクラスだ。

事業活動をベースにした社会課題解決にも積極的に取り組む。インドネシアで小規模ゴム農家に生産性の高いゴムの木とタッピング機材を提供。講習会も実施し高品質なゴム増産を達成している。自社の原材料確保と小規模農家の経済的自立の継続的な両立も目指している。

NTTドコモは昨年2位→5位へダウン

5位は昨年2位のNTTドコモ(564.9点)。財務は287.7点で1位だったものの、89.9点の人材活用(44位)、91.5点の環境(53位)、95.8点の企業統治+社会性(16位)で一歩後退となった。

6位は昨年3位からダウンしたデンソー(562.4点)。人材活用86.1点(82位)、環境97.2点(7位)、企業統治+社会性94.5点(32位)、財務284.6点(6位)と環境面や財務面での強さの一方、女性管理職比率0.6%など女性活用の後れで人材活用は上位企業を下回った。

7位は昨年15位から上昇したKDDI(559.7点)。人材活用93.7点(18位)、環境90.1点(69位)、企業統治+社会性97.6点(7位)、財務278.3点(14位)と環境が若干劣るもののバランスよく得点し初のトップ10入りとなった。

取引先に対し数カ月間をかけてCSR調達に関する周知活動を行ったうえで、「KDDI・CSR調達方針」を施行。調達先監査・評価も行いサプライチェーンへの積極的な取り組みなどで「企業統治+社会性」の得点が高かった。

以下、8位リコー(558.2点)、9位キヤノン(557.7点)、10位NEC(557.4点)と続く。自動車メーカーでは昨年5位の日産自動車が11位(555.8点)、同じく8位のトヨタ自動車が16位(548.9点)に順位を下げた。

日産は主に企業統治面での情報開示の悪化、トヨタは雇用面の幅広い制度はあるものの一部数値項目の非開示、女性登用数値の停滞などで人材活用得点が伸びなかった。

50位までで急上昇したのが70位から26位に上がった村田製作所(543.7点)。人材活用87.3点(67位)、環境91.5点(53位)、企業統治+社会性88.5点(129位)、財務276.4点(20位)と好調な業績による高い財務得点をベースに順位を上げた。

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