森トラスト章社長、後継に末娘を選んだ裏側

40代の伊達美和子氏、「港区の大家」を舵取り

不動産業界の大御所が跡継ぎから、森ビルとの関係、自身の半生について語った(撮影:尾形文繁)
不動産大手・森トラストの森章社長(79)は、6月の株主総会を経て、専務で末娘(長女)の伊達美和子氏(44)に社長を交代する方針を表明した。森社長は代表権のある会長に就任する。創業家の40代女性が、総資産1兆円の「港区の大家」を仕切ることとなる。末娘への社長交代を決めた背景について、森章社長に聞いた。

娘はホテルやビル開発で十分な実績がある

――今年6月の株主総会をもって、長女の伊達美和子専務に社長を交代するのはなぜですか。

今年で80歳になるし、切りがいいかなと思いましてね。若返りということ。伊達専務は44歳。女性だし、安倍内閣にちょうどいいかなと(笑)。

ホテル、開発などの業務系の仕事にはすでに実績があります。ホテルは、米マリオット・インターナショナルと一緒に複数やっていて、最高級ブランドの「JWマリオットホテル奈良」で9件目になります。米スターウッドとの間でも、最高級の「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル京都」を誘致しました。コンラッド東京、ウェスティンホテル仙台、シャングリ・ラ ホテル東京なども手掛けた。

オフィスでも、水面下で、いろいろ陣頭指揮を執ってやっているんです。丸の内トラストシティの都市計画や、2014年竣工の京橋トラストタワーも手掛けました。近々、虎ノ門パストラル跡地再開発を着工します。国家戦略特区に認定されたプロジェクトですが、それを得るための行政との交渉も伊達専務がやっていました。あとこれからやらなければならないのは、財務とか人事とか総務系のほうですね。

――交代時期については、時代環境も加味して決めたいとのことでした。今は引き継ぎやすい時期ですか。

いや、難しい時代ですね。2020年に東京オリンピックの開催があり、駆け込みの建設需要があります。そのあと反動がありますよね。

――それを乗り切るための事業がホテルですか。

そうですね。ホテル市場だけは成長路線にある。リピーターが多くなって、オリンピックの後も伸び続けます。オリンピック後に訪れる「経済の崖」の時期、当社を下支えするのがホテル事業です。

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