実態とかけ離れた「健康食品」の宣伝文句 DHAサプリから野菜系飲料まで徹底検証
「体によい」というイメージで販売されている「健康食品」。「お腹の調子を整える」といった保健効果の表示が認められている特定保健用食品(トクホ)から明確な定義のない一般の健康食品、「野菜系飲料」まで含めた場合、市場規模は2兆円に近いとみられている。
内閣府の消費者委員会が実施した消費者アンケート調査結果(5月発表)によれば、現在、健康食品を利用している消費者は約6割。「ほとんど毎日利用している人」は26%を占めている。
まさに、国民の食生活に根付いた感のある健康食品だが、消費者が抱くイメージは芳しくない。前出のアンケート調査で「健康食品のイメージ」を尋ねたところ、「行きすぎた宣伝・広告が目立つ」が50%弱でトップ。東京都から改善指導を受けたインターネット上の不当表示件数でも、健康食品は断トツの首位。国民生活センター刊行の『くらしの豆知識』では、「健康食品の利用において留意すべき10のポイント」の第1番目に「販売会社側の情報は都合のよい情報がほとんど」との記述がある。
科学的根拠の乏しい健康食品の宣伝文句
健康食品問題に詳しい国立健康・栄養研究所の梅垣敬三情報センター長は、「サプリメントでは医薬品もどきの広告が目立つ。広告に掲載されている利用者の『体験談』のほとんどはまったく意味がない」と語る。
全国紙には、おびただしい数の健康食品の広告が掲載されている。
「健康の鍵は酵素です」
「500円で晴れ晴れ実感!」
「15種類の成分が歩く喜びを実感させる」
「すべてのキレイがぎゅっと1本に!」
健康食品を取ることで、人生ががらっと明るくなるかのごとき印象を抱かせる。
だが、広告の文言を一つひとつ見ると、科学的根拠が怪しいものが少なくないことがわかる。