ポーラ「THREE」の仕掛人が最後に挑むこと 世界で通じる日本発ブランドを作る
「在庫がある色で良いから、ください」――。百貨店の化粧品売り場では、THREE(スリー)の商品が店頭にあるものから売れていく。
売れ筋はアイメイク商品「ウイスパーグロスフォーアイ」だ。今年1月に発売したところ、わずか1カ月で、3カ月分の在庫を売り切ってしまった。ほかにも、オイルクレンジングやリップグロスなど、多くの看板商品を抱えている。
メインターゲットは、働く20代後半〜30代前半の女性だ。国産原料にこだわったオーガニックスキンケア用品と、モードな印象のメイク商品がそれぞれ人気を集めており、女優やモデルといった美容通の愛用者も多い。
転職組が作ったTHREEというブランド
THREEを展開するのは、化粧品大手のポーラ・オルビスホールディングスだ。同社の2015年12月期は、売上高2147億円(前年同期比8.4%増)、営業利益225億円(同27.3%増)、純利益は過去最高を更新するなど絶好調だ。
主力ブランドの「ポーラ」が訪日外国人客(インバウンド)需要を取り込んだことに加えて、THREEが前期比6割増と売上高を急伸させ、営業損益も黒字目前まで改善されたことが効いた。
THREEの仕掛け人が、ポーラオルビスの子会社、アクロ社長の石橋寧(やすし)。現在65歳の石橋は、実はポーラの生え抜きではなく、カネボウ化粧品からの転職組だ。
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