(第1回)<小池百合子さん>自分の人生を自分で切り開くための「術」を学べばよい

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(第1回)<小池百合子さん>自分の人生を自分で切り開くための「術」を学べばよい

今回は小池百合子さんのお話です。

 内閣総理大臣補佐官を務める小池百合子さん。
 兵庫県芦屋市に生まれ、幼い頃は兄の背中を追いかけ、ドッジボールに鉄棒など校庭を活発に走り回る少女だった。中学受験を体験し、神戸の名門、私立甲南女子中学に進学……。そこで出会った河内弁を喋る米国人教諭のことは、特に印象的だった……と学生時代を振り返ってくれました。

●河内弁を喋る米国人教師から受けた罰

 たくさんの恩師の中で、ひとりあげるならば、中学2年生の時に英会話の教科担任をしていた、河内弁を喋るアメリカ人のスペンサー先生を思い出します。
 それまでは大阪の河内で先生をしていたそうで、そこから神戸の我が校に転勤してこられたのです。日本語は上手に喋るのですが、河内弁の訛りがあるのです。同じ関西といえども、神戸と河内ではかなり違います。その話し方が楽しくて、みんなで楽しく笑いあったのを覚えています。
 また、その先生の授業というのは、「机の上には、ノートも何も出すな」というやり方。要するに、英会話なのだから、耳でよく聞きなさい、書いたりなんかしなくていいということです。
 それなのに、ある日、たまたま私が隣の人と放課後の打ち合わせのために書いたメモを手渡したのが見つかってしまい、「後で職員室に来なさい」と怒られました。職員室に呼ばれて、「何をしてた?」と聞かれて理由を答えると、「ダメじゃないか。これは罰だ」と、英語で二週間日記を書きなさいと言われました。
 まだ中学二年生で、英語の語彙もとても少なかったため、たいへんな課題でした。
 たいへんながらも、日記を提出し、添削をしていただく中で、スペンサー先生とやりあったこともありました。日本語なら、ヴィヴィッドな表現をするためにわざと、時制を整えずに表現することがあります。そのことを表現したくて、現在進行形を使って日記を書いたら、「これは違う!」と言われてしまいました。私は「そうではない!もっと生き生きとした表現をしたいからだ」って説明をしたのです。それでも、「違う。間違いだ」とおっしゃるので、先生はアメリカ人なのにどうしてそのことがわからないんだろう、わからんちんな人だって(笑)。
 でも、その二週間は、一生懸命英語で日記を書きました。今だに取ってありますよ。かわいい101匹わんちゃんの絵の描いてあるノートでしたね。
 結果的に、この罰を受けたことで、英語が好きになりました。その後、一緒に叱られた友人と一緒にESSに入り、英語弁論大会や英語劇を演じたりしていました。今思えば、添削付きで、英語の特別授業を受けたようで、粋な罰でしたよね。

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