フェイスブックが動画広告の規制を緩和か スーパーボウルでテストを実施?

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PopSugarスタジオの社長、デイビッド・グラント氏は「PopSugarの動画収入の80%以上は、ネイティブ動画や編集動画によるものだ」と話す。また、ネイティブ動画や編集動画こそ、企業が成長するチャンスだとも付け加えている。

Facebookが高品質なコンテンツを求めてYouTubeとの競争を激化するなか、この動画広告ポリシーの改定はプレミアム動画製作者を魅きつけるための奨励金のようなものだ。Facebookはパブリッシャーや動画製作者に対して、投稿を収益化する方法を、もっと多く提供しなくてはならない。

実際はグレーゾーンのポリシー

注目すべき点はほかにもある。スポンサーシップを結んだブランドの動画コンテンツをオーガニックコンテンツのように表示させることは禁止されているが、Facebookのポリシーには曖昧なところがあるのだ。そのため、多くのパブリッシャーは動画製作にあたり、自らを律しなくてはならない。これにより、現状はフィード内にグレーゾーンな広告コンテンツが表示されることも少なくないのである。

動画広告ポリシーの改定は、実際はこのようなグレーゾーンにある広告コンテンツを明るみに出し、考え直すことを目的にしている。またある情報筋は、Facebookはブランデッドコンテンツのパフォーマンスの計測にも貢献できるだろうと述べた。

YouTubeでは大きな収入源となっているプレロール広告だが、Facebookはプレロール広告を反対し続けてきたため、現在はプレロール広告以外の解決策を模索している。最近では、パブリッシャーとパートナーシップを組んで広告主に高品質の動画広告を販売する、「アンソロジープログラム」を拡大している。

また、Facebookはおすすめ動画のフィードも開発中だ。パブリッシャーのサイトからユーザーを誘導し、広告収入をパブリッシャーと折半するという。

しかし、Facebookが大規模なオーディエンスに向けて展開するプロジェクトはしばらくないと、情報筋は話している。だからこそ、ブランデッドコンテンツ投稿の緩和こそが、パブリッシャーを惹きつけるものになるのかもしれない。

Garett Sloane(原文 / 訳:BIG ROMAN)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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