あなたはiPhone「ロック解除」で丸裸になる 本当に怖いことが起こるのはこれからだ
テロリストが所有していたスマートフォンのロック解除をめぐり、アップルとFBI(米連邦捜査局)との間で論争が続いている。ここから見えてくるのは、テクノロジー業界の未来の姿だ。
この件に関して、ひとつ確かなことがある。それは、デジタル技術はつねにより多くの個人情報を獲得しようとしており、ユーザーである私たちは、たいていの場合その求めに応じている、ということだ。今日のスマートフォンには、大量の個人データが入っている。通信の記録、写真、現在の居場所――。だが、今後はさらに多くの情報が入ることになるだろう。そして、そうした機器の原型が、すでに私たちの周囲に存在している。
秘密を持てない世界が築かれつつある?
私たちが「あったらいい」と思っているテクノロジーについて考えてみよう。単に、より便利な電話だけでなく、自動運転の車や、音声で操作できる機器、あるいは遠隔地から管理やモニターができる家電製品などだ。その多くにはカメラやマイクやセンサーが搭載されて、たくさんのデータを集めるだろう。さらには、最先端のデータ・マイニングが行われ、集められたデータを解析しようとする。すべの機器が、あなたのすべての発言と行動を記録し、分析するようになるのだ。
ここから、なぜテクノロジー企業が、そして言うまでもなく私たちユーザーが、アップルのケースの影響を恐れる必要があるのかがわかる。
捜査当局やその支持者らは、有効な裁判所命令がある時には、調査において重要かもしれない端末を警察が調べられないという事態があってはならないと主張する。しかし、もしアップルが自社のセキュリティを破ることを強いられ、アップルがスマートフォンの中に侵入すれば、ユーザーに約束された安全性は崩壊し始める。