戦略の失敗学 森谷正規著

戦略の失敗学 森谷正規著

国際競争に敗れたDRAMや液晶パネル、あるいはケータイ。そもそもニーズがなかった超高速貨物船の建造。そんな新技術新商品を中心にカネボウ、そごう、夕張市まで28の事例がなぜ失敗したか、まず事実関係が詳細に述べられる。

そして失敗の原因を12の落とし穴に分類し、マトリックス的に戦略面から分析している。「人間、社会、事柄の本質」が理解できていないために失敗したケースが赤裸々に解明される箇所では寒々した感にさえ襲われる。失敗を防ぐための提言まで読み進めると戦略の奥深さに気後れさえするが、ひるんではいられない。

ほとんど人智、予測を超えていると感じられる失敗事例もあるが、真面目に働く現場を裏切る巨額の損失を防ぐためにも、戦略チェックに時間とカネをいくらかけても十分ということはないのだろう。最後にこれから失敗のおそれがあるという8例が挙げられているが、10年後にどうなっているか、興味は尽きない。(純)

東洋経済新報社 1890円

詳しい紹介ページはこちら
Amazonで見る
楽天で見る

関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
大ヒット愛国映画『戦狼』に見る<br>中国の拡張主義

世界の歴代映画興行収入トップ100に、アジア映画で唯一ランクインしている『戦狼』。実はプロパガンダ作品だ。「アフリカの友人」を高らかにうたい、中国企業のアフリカ進出を促す。